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約束 著者:林真理子
「秘密」「東京」「結婚」「嫉妬」に続く林真理子氏の短編シリーズ第5弾。最終巻です。
著者が過去描いた6話の短編が収められています。
タイトルは「約束」となっていますが、どの話にも「約束」という単語は出てきません。
著者の意図する「約束」とは果たして何なのでしょうか――?
直木賞受賞作品「京都まで」も収められています。
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やさしいダンテ<神曲> 著者:阿刀田高
ダンテは13世紀のイタリアで活躍した詩人です。
その彼の著した作品「神曲」は、壮大な叙事詩で、後世に大きな影響を与えました。
本作は、「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3部から構成されるこの「神曲」を、阿刀田高氏が平易に解説した書です。
氏特有のエッセンスがきいた文体で書かれた本書は、難解な原作が面白く感じられます。
原作が難しく挫折してしまった方、ぜひとも本書をおすすめします。
まだ原作を読んでない方も楽しんで読めますよ。
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やさしい夜の殺意 著者:小池真理子
短編の名手・小池氏の短編集です。5編のミステリー短編が収められています。
今から(2009年時点)20年近く前に書かれた作品群ですが、いまだにどの作品も新鮮味があって面白いです。
文体に無駄がなく、ストーリーの展開がアップテンポで最後までどきどきしながら読むことができます。
また最後の「あっ!」というようなどんでん返しにも驚かされることうけあいです。
思いもよらぬラストが待ってますよ・・・。
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夜愁(上) 著者:サラ・ウォーターズ
第二次世界大戦初期から戦後のロンドンを舞台にしたヒューマン長編小説です。
物語は戦後から戦中へと時を遡らせる三部構成の形式で著されています。
登場人物は作家のジュリア、その恋人のヘレン、ヘレンの同僚のヴィヴ、ヴイヴの不倫相手のレジー…。
そしてその人々を静かに見つめるケイ…。
本書は第二部の上篇まで綴られています。
彼らはそれそれが持つ傷と思惑を抱え込んで、人生を交錯させていました…。
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夜愁(下) 著者:サラ・ウォーターズ
物語は戦中から戦争初期へと時が戻されていきます。
その過程で、ケイは実はヘレンの元恋人であったことが判明します。
そしてヘレンとジュリア、ケイとヴィヴの出会いも著されおり、彼女たちの関係性が明らかになります。
ヴィヴとレジーとの背徳の恋の始まりや、ヴィヴがそのために深い傷を負った悲しい出来事も描写されています。
すべては戦争によって始まった出会いだったのです。
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やっぱり奇妙にこわい話 著者:阿刀田高
寄せられた「怖い体験」を阿刀田高氏が選んだ作品集です。シリーズ5弾目です。
今回は「気味の悪い」怖さが広がっています。視覚的そして触感的な不気味さのある作品が多く鳥肌が立ちました。
「禽舎」や「夏が過ぎた頃」という作品は特にぞっとしますよ。
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やまとなでしこ 美人の品格 著者:鈴木裕子
女性に生まれれば、誰しも「美人」になりたいのは当然のことですね。
でもそもそも「美人」ってどういう人のことをいうのでしょう?
本書にはその”美の定義”をふまえた、「美人」になれる方法が書かれています。
「美人」って実は誰でもなれるものなんです・・・。
ミス日本やミス・ユニバースたちの意義あるコメントも掲載されています。
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闇彦 著者:阿刀田高
著者の自伝的長編小説です。
著者自身がモデルとなった主人公は、幼い頃より”闇彦”という名を耳にしていました。
ですが、それがいったい誰のことなのかわかりません。
彼はその”闇彦”なる人物を、探し始めます…。
そしてついに”闇彦”なる人物の正体が明らかにされるのですが――。
「自分は何のために生まれてきたのか」という著者自身が生まれながらにして持った疑問を自身で導き出して創り上げた物語です。
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やめられない女たち 著者:真野朋子
世の中にはモラルから外れた恋愛をやめられない女性がいます。不倫や婚前解消、ネット恋愛などなど。
不毛なこととわかっていても、アルコールや喫煙と同じようにして彼女たちは何故かやめられないのです。
本書にはそうした6人の女性の物語が収められています。
著者独特の視点から、現代社会に生きるその等身大の女性の姿が淡々と綴られています。
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柔らかな頬(上) 著者:桐野夏生
夫がいながらも別の男性に恋をしてしまった女性・カスミが主人公です。
そのカスミはその男性から夫婦で北海道の別荘に招待されました。
そこで不幸な事件が起こります。
朝、突然、カスミの長女が失踪してしまうのです。
懸命の捜索にもかかわらず、少女は発見されませんでした。
そしてそれをきっかけにして二組の夫婦が破壊されていきます・・・。
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柔らかな頬(下) 著者:桐野夏生 |
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やんちゃな時代 著者:林真理子
2010年1月から12月にかけて「週刊文春」で連載された林真理子氏のエッセイ集です。
不況が続くくらーい日本をよそ目に、氏は実によく頑張って日々の生活を楽しんでいます。
たくさん買い物したり、観劇したり、旅行に行ったりと。
早く明るい日本に戻ってくれることを願っている氏の思いが伝わってくる一冊です。
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ゆきずりの唇 著者:連城三紀彦
48歳の藍沢晶子は、何一つ不自由のない暮らしをしていました。
しかし、2歳年上の夫との25年間の生活は偽りであったと気づき、彼女は家を出る決心をします。
そして何と、自分の娘の婚約者である青年と道ならぬ恋に堕ちてしまうのです。
背徳の恋の先の行方はいかに――!?
連城氏らしい、人物の感性の精緻が見事に降り綴られた傑作長編小説です。
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容疑者Xの献身 著者:東野圭吾
天才数学者の石神は、隣の部屋に住む靖子に思いを寄せていました。
ある日、靖子のところに訪ねてきた元夫を、彼女と彼女の娘は殺害してしまいます。
それを知った石神は、彼女たちに嫌疑がかからないようにアリバイ作りをします。
天才が作ったアリバイなので、完璧かと思いきや、彼の親友がそれを見抜いてしまいます。
親友――ガリレオの謎解きに石神は追い込まれていきますが…!?
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妖桜忌 著者:篠田節子
篠田節子氏のホラー小説です。著名作家・大原鳳月が自宅で焼死したところからストーリーが始まります。
主役となるのはその亡くなった作家の担当編集者である堀口という青年です。
その彼のところへ故・作家の秘書であった女性が自分で書いたという原稿を持ってきました。
読み進めていくうちに彼は驚愕します。なんとその原稿が、亡くなった作家の文体そのものだったからです。
堀口は、彼女が故・作家が遺した作品を盗作したのでなないかという疑いを持ちました。
そして、独自で彼女の身辺を調べ始めますが・・・!?。
果たして真実は・・・!?
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妖女のごとく 著者:遠藤周作
遠藤周作氏のホラー的要素を含んだ長編小説です。
ある男性が、学生時代の同期である独身男性のために気になっている女性の身辺を調査したところ、その女性が恐ろしい「妖女」であった、というストーリーです。
「妖女」は血を好んだ仏蘭西の希代の悪女の蘇りでした。
数々の悪行に耽る「妖女」の恐ろしさにゾッとしながらも何故か男性たちは離れられないのです…。
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欲望の名画 著者:中野京子
人間の欲望を描いた絵画を紹介した中野京子氏の書です。
「愛欲」「知的欲求」「生存本能」「物欲」「権力欲」の全5章で構成されています。
人間の「欲」に関する作品26点が2~3ページの短文で分かりやすく解説されています。
本書を読むと、人間は昔から欲望に突き動かされ、あるいは負けて生きてきたことが改めてわかります。
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予知夢 著者:東野圭吾
現実的にはありえない超常現象を主題にした連作ミステリー集です。
予知・霊視・ポルターガイスト、etcetc…。
難解で不可思議な事件を、天才物理学者・湯川氏が解いていきます。
どのストーリーもページ数は短いですが、しゃきっとまとまっていて読みやすいです。
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夜のジンファンデル 著者:篠田節子
篠田節子氏の短編集です。1991年から2002年の間に書かれた短編が表題作の他、5編収められています。
現代社会の日常生活を背景にした、摩訶不思議な世界が広がったストーリー群です。
気がつかないうちに自分もこの世界に入り込んでいるかもしれない・・・、そんな恐怖がひたひたと心の中にしみこんできます。
表題作は幻想的な内容ですが、他は現実的なお話です。だからこそ余計怖く感じます・・
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夜の谷を行く 著者:桐野夏生
史実上の事件「連合赤軍事件」を取り扱った桐野夏生さんの長編小説です。
実際上と架空の人物を織り交ぜて描かれています。
主人公は事件に関与した啓子という名の還暦を超えた女性です。
事件が起こったのは40年前、彼女は服役後は世間から目立たぬよう日々を暮らしていました。
その平穏であったはずの日常がある出来事をきっかけにして変化していきます。
死刑囚として監禁されている当時の事件の首謀者の一人が獄中で亡くなったのです。
忘れたい過去が蘇ってきて、彼女を追いつめ始めました…。
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