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ダイイング・アイ 著者:東野圭吾
ストーリーは一人の女性が交通事故で亡くなったことから始まります。
加害者は30代のバーテンダーの男性です。
女性の夫は復讐のためにその男性を殺そうとしますが失敗します。
女性の夫は服毒自殺をし、男性は一命を取り留めたものの記憶喪失になってしまいました。
その失われた記憶も事故に関する部分だけという実に曖昧な状態でありました。
それから男性の周囲で奇妙な出来事が次々と起こりはじめました。
そして時折事故に関する記憶が部分部分に蘇ってくるのですが、何か違和感を感じるのです。
男性はこの事故には何か秘密があると感じ、失われた記憶を取り戻すべく自身で調査を始めました…。
ホラー的な要素を含んだ東野圭吾さんの長編ミステリー小説です。
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大地 1 著者:パール・バツク
19世紀後半中国。大地主から少しばかりの土地を借りて農耕を営む王家の王龍が主人公です。
彼の結婚から年老いるまでの生涯が描かれています。
貧農であった王龍は、持ち前の真面目さから、熱心に農耕にはげみます。
その甲斐あってか、紆余曲折はあったものの、大地主の土地をほとんど手に入れ、さらにはその館まで買い取るにまでいたります。
”生きる”ことを教えてくれる大河小説です。
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第4の神話 著者:篠田節子
四十路間近の万智子という名の女性のライターが主人公です。
その彼女に出版社から急逝したベストセラー作家の評伝の執筆依頼がきたところから物語が始まります。
急逝した作家は人気作家だっただけでなく、美貌でも知られていて世間からは憧れの対象となっていた女性でした。
主人公は彼女の実態を掴もうと、調査を始めますが、それは思っていたより以上に苦難を強いられました。
それはその作家が、調べれば調べるほど、実像が掴み取れないような女性だったからです。
果たして万智子は本物の彼女の姿を描ききることができるのでしょうか――!?
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黄昏のベルリン 著者:連城三紀彦
青木優二は日本の一介の画家でした。
しかし彼の人生はクリスマスの日に一変してしまいます。
エルザという名の美しいドイツ人の女性の出現によって。
彼は彼女に示されるまま、欧州の地へと旅立ちます。
そこで様々な地を巡りながら、ある事実に直面します。
そう、驚愕の事実に…!
ドイツがまだ東西に分かれていたころの、サスペンスストーリーです。
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楽しい古事記 著者:阿刀田高
日本史の教科書をめくれば必ず太字で書かれてる重要な書物「古事記」。
でもタイトルは知っていても、実際に読んだことのある方はほとんどいないハズ。
それもそうでしょう。同じ日本語とは思えないほど、難解な古語で書かれているのですから…。
本書はそうした「古事記」の硬さを払拭して、実に分かりやすく、そして読みやすく解いており、書の本来の意味を教えてくれます。
また「古事記」の舞台となる地への旅の紀行も綴られており、楽しく読めます。
日本人なら「古事記」は読まなきゃね!!
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魂萌え!(上) 著者:桐野夏生
突然夫を亡くし、59歳で未亡人になってしまった主人公。
その彼女の周囲が急激に変化していきます。
30年間専業主婦をしていたため、いきなり外の世界に放り出された形となってしまったからです。
しかも夫には10年間隠れて交際していた愛人がいたということが、発覚するのです。
果たして主人公のこれからの未来はどうなるのでしょうか――!?
60歳という老いのはじめにいる女性たちの不安を、桐野氏がリアルに描いた読み応えのある力作長編です。
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魂萌え!(下) 著者:桐野夏生 |
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寵妃ロクセラーナ 著者:澁澤幸子
16世紀オスマン帝国を舞台にしたスレイマン2世の寵妃ヒュッレム・スルタンの物語です。
ロシアの片田舎に住んでいたヒュッレムは、他民族の侵略により捕らえられ市場に売りに出されました。
15歳の彼女を買ったのはオスマン帝国皇帝の小姓であったイブラヒムでした。
ヒュッレムはイブラヒムの下で教育を受けた後、皇帝に献上されます。
才気煥発であった彼女はたちまち皇帝のお気に入りとなり、皇子を産んで第二夫人にまでなります。
異国へ奴隷として売られながらも、大国の皇后に近い座まで上りつめた数奇な運命を辿った女性の物語です。
”ロクセラーナ”は”ロシア女”の意(蔑称)。
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長女たち 著者:篠田節子
「家守娘」「ミッション」「ファーストレディ」の3作が収録された中編小説集です。
全作、高齢化が進む現代の介護問題に直視した内容です。
年老いた両親の生活を支えなければならぬ”長女”としての役割の熾烈さ過酷さが切々と描写されています。
誰の上にでも老いは必ずやってきて、そして病にもいつ襲われるかわかりません。
そんなとき自分は親を取るか、自身を取るかという問題に対面します。
身近な主題だけあって実にリアリティあふれた作品群です。
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妻と夫と男たち 著者:真野朋子
真野朋子氏の全5話からなる連作長編です。
主人公は30代半ばの結婚4年目のメーカー勤務の女性です。
物語は主人公の夫が3ヶ月間出張でいなくなるところから始まります。
その間、彼女はさまざなま男性と出会います。過去の恋人、部署に新しくやってきた年下の部下、など。
果たして彼女の恋愛(?)もしくは結婚生活はどうなっていくのでしょうか――!?
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テティスの逆鱗 著者:唯川恵
美容整形が流行している昨今の世間の風向きに沿った長編小説です。
整形医として一流の腕を持つ晶世。
その彼女の前に”美”を求めるさまざまな事情を持つ女性が登場します。
もっと美しく、もっと美しく、と彼女たちの”美”への欲望はとどまることがありません。
倫理、道徳の枠をはみ出して、”美”を求めていった彼女たちの行く末はいかに――!?
それは…恐ろしい、結末なのです…。
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手のひらの砂漠 著者:唯川恵
結婚して二年半の専業主婦である可穂子という名の女性が主人公です。
彼女は夫のDVに悩まされていました。
ある日、ついに夫の暴力に耐えきれず、彼女は傷だらけの体で警察に駆け込みます。
そこから彼女の生活は大きく流転し始めました。
離婚・元夫の執拗な嫌がらせ・DV避難所での生活・農家での女性だけの暮らし…。
暴力により、心に傷を負った女性が社会へどう再出発していくのかを描いた傑作長編小説です。
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でも女 著者:群ようこ
1994年に単行本化された著者の短編集を1997年に単行本化した書です。
10篇の短編作品が収録されています。
高校生、大学生、OL、主婦、etcとシチュエーションこそ異なりますが、作品全てが「女の友情」を主題にして描かれています。
現在読んでも違和感がないのは、昔から”女の友情”は変わらないからでしょうか。
どの作品も利用したり、されたり、裏切られたり、だまされたり…と。
読んでいると、「ああ、いるいるこういう女性」と妙に納得してしまいます。
「女の友情とは利害の一途によるものなのよー!」という著者の叫び声が聞こえてくるシニカルでかつ笑える書です。
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天空の蜂 著者:東野圭吾
某重工業会社の超大型ヘリコプターが何者かに乗っ取られてしまいました。
操縦席には誰も乗っておらず、犯人はコンピューターで操っている様子。
そしてそのヘリコプターの向かった先はなんと原発の真上でした。
”天空の蜂”と名乗る犯人からは、日本中の原発の稼働を停止しないと、ヘリを原発の真上に落とすという犯行声明がありました。
当然、日本中は騒然となります。
また、無人のはずのヘリの中にはなんと子供が一人乗っていたのです!
果たして、”天空の蜂”の恐るべき犯行を止めることはできるのでしょうか!?
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天使の囀り 著者:貴志祐介
終末期医療病院に勤務する北島早苗という女性の精神科医が主人公のホラー長編小説です。
彼女には年上の小説家の恋人がいました。
ストーリーはその恋人が仕事でアマゾンの奥地へ行き、そこから彼女宛てにメールを送信するというくだりから始まります。
その恋人は数ヶ月に渡る任務を終了し、未開の地から彼女の元へ戻ってきました。
しかし彼は以前とは違う人格になっていたのです。そしてさらにはなんと彼は自殺してしまうのです。
それは彼だけではありませんでした。共に秘境の地へ向かったメンバーたちも次々と自殺していってしまうのです。
一体秘境の地で何が起こったのでしょうか。
早苗は事件真相解明へと行動を開始します。
そして彼女は恐るべき真実に直面することになるのです…。
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天使の耳 著者:東野圭吾
信号無視、路上駐車、空き缶の投げ捨て、エトセトラ、エトセトラ…。
少しも減少することのない交通違反。
自分だけじゃない、他の人もしていること、などと軽く思ってはいけません。
それは恐ろしい事故が起こるだけでなく、深い人間の憎悪まで呼び起こしてしまうからです。
「交通事故」を主題とした6作の短編ミステリーです。
結末がみな、恐ろしいです…。
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デンジャラス 著者:桐野夏生
文豪・谷崎潤一郎の周囲を取り巻いていた世界の物語です
それは一人称で書かれ、「つまいもうと娘花嫁われを囲む潺湲亭の夜のまどゐ哉」と谷崎が詠んだ歌から始まります。
語り手となるのは「いもうと」である重子。
彼女が谷崎を取り巻く世界、そして彼の作家としての芸術観を、かなり強く自分の感情を吐露しながら語っていきます。
重子は自分が彼の代表作である「細雪」の登場人物のモデルになったことを誇りに思い、そしてそれを矜持にしていました。
しかしそれは「花嫁」の千萬子によって崩れ去っていきます。
「細雪」を書き終えた谷崎は、新たなる世界の境地に千萬子をミューズにしたからです。
正妻である松子や創作のミューズであったはずの重子の心はどす黒い気持ちに覆われていきます。
谷崎王国の水面下で女たちの恐ろしい闘争が繰り広げられるようになりました…。
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天上の青(上) 著者:曽野綾子
波田雪子が”天上の青”という朝顔の手入れをしているときに、その男はやってきました。
その男の名は宇野富士男。
彼はその”天上の青”の種が欲しいと雪子に頼みます。
数日後、富士男は再びやってきて、雪子から種を渡されます。
それ以来、彼は彼女の家にちょくちょく顔を出すようになりました。
二人の距離が少しずつ近づいていくように思えましたが、実は彼は恐るべき悪鬼の顔を持った男だったのです…。
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天上の青(下) 著者:曽野綾子
轢き逃げが原因で富士男の数々の悪行が暴かれていきます。
名を偽り、女性を次々犯しては殺してきた富士男。
拘束された富士男は、雪子にだけ連絡を取ろうとします。
後半は富士男と雪子の手紙の交わしあいとなっています。
深い罪を犯しても全く悔悛しない富士男。
それを聖母のように受け止める雪子。
最後、富士男は控訴せず、求刑を受け入れます。
著者の犯罪者の緻密な心理描写が巧みに綴られた長編小説です。
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天窓のある家 著者:篠田節子
表題作を含む9編の短編が収められた篠田氏の短編集です。
どの作品も心身ともに不安定になっている中年世代が、主人公になっています。
「社会的弱者」の実態が明確に描写されているので、リアリティがあり、とても怖く感じます。
現実に密着した作品集です。
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東京25時 著者:阿刀田高
1990年に文藝春秋で刊行された阿刀田高さんの短編集です。
10篇の都会で繰り広げられる男女の愛憎劇が綴られた短編作品が収録されています。
全作品、歯ごたえのあるシャキシャキした文体で、展開がスピーディーです。
読者をあっという間に物語に引き込みますが、結末は阿刀田高さん特有の読者の想像にまかせる形で終了しています。
人の心の闇を、はっきりとした形でなく、霧の向こうに灯る灯りのように浮かびあがらせるかのごとくに。
正体がはっきりしない分、その怖さが増す書です。
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東亰異聞 著者:小野不由美
物語は帝都「東亰」が成立した29年後から始まります。
その帝都・東亰で不可解な連続殺人が起こりました。
目撃されたのは闇御前・火炎魔人・辻切りなど人間とは思えぬ魑魅魍魎の類。
果たしてこれは人間の仕業なのかはたまた闇の妖どもの仕業なのか…?
新聞記者である平河は事件解明にになじみの万屋万造とともに乗り出しました。
そして二人は糸口を手繰っていくうちに、鷹司侯爵家の相続争いに辿り着きました。
魑魅魍魎たちを生み出し、大量殺戮を行ったのはこの家人たちなのでしょうか――?
意外な真実、愕然とする結末に、もう本書から手が離せなくなります。
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倒立する搭の殺人 著者:皆川博子
時は第二次大戦後期、敗色濃い日本での女子学生たちが主人公の倒錯したストーリーです。
女子学生たちは、毎日誰かがいなくなる死と隣り合わせの日々を送っていました。
ある日、一人の美貌の少女がチャペルのところで死んでいました。
空襲から逃げ遅れたためと思われましたが、真相はどうも違うらしいのです。
真実は、図書館に置いてあったある一冊の手書き本に記されていました。
その真実とは――!?
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時生 著者:東野圭吾
生まれながらに不治の病を患う息子を持った宮本拓実。
その息子がわずか17歳でこの世を去ろうとしているところから物語は始まります。
息子、時生は死んだ後、タイムスリップをして、他人の体をかり、まだ23歳の父親と花やしきで邂逅します。
当時、ダメ人間だった拓実はある厄介事巻き込まれてしまいました。
そして何の因果か、時空を超えてやってきた息子と事件解決のために、徒党を組むことになったのです…。
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時の止まった赤ん坊 著者:曽野綾子
日本から遠く隔たった地・マダガスカルで修道女として生きる入江茜という名の女性が主人公の長編小説です。
彼女はスール・アンヌという洗礼名でその地の産院に看護師として勤務していました。
貧困極まるこの地では、日本の価値観など全く意味をなさないものでした。
多くの子供を産んでも、お金がないため、死なせてしまう母親たち。
薬不足のため助かる命も助からないこともしばしば。
そして栄養不足で枯れ木のような体になって死んでゆく子供たち。
死が当たり前の状況の中で、茜は神に祈りを捧げながらこの地で生きていきます…。
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隣の若草さん 著者:藤本ひとみ
現代版「若草物語」。すんっっごい笑えます!
主人公は次女の桃子さん。ストーリーの語り手はなんと飼い犬の元帥。強烈な個性を持つ四姉妹がハチャメチャ動き回ります。
小説というより4コマ漫画を読んでいるような感覚で読めますよ。サザエさんやちびまるこちゃんにみたいな感じです。
是非読んでみてください。読み終わった後、悩み事なんかすっとんじゃいますから。
幸せってきっとこういうことをいうんでしょうね。
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途方もなく霧は流れる 著者:唯川恵
大手航空会社をリストラされてしまった50代の男性を主人公にした長編小説です。
現代社会の実態が見事に描写されおり、主人公の境遇と心情に非常にシンパシィが感じられます。
しかし舞台が軽井沢なので、ほのかに幻想的でリリカルな作風に仕上がっています。
一人の男性の生涯を通して、「人は一体何のために生きているのか」を問う作品です。
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鳥肌が 著者:穂村弘
歌人・穂村弘さんのエッセイ書です。
タイトル通り「鳥肌が」立ち、背筋が寒くなるこわいエピソードがたくさん書かれています。
未知のものに対してや異界(幽霊等)のもの、はたまた不可思議な人間の性質など、人が「こわい」と感じる種々様々なモノが。
歌人らしく、歌を詠むようなリズムカルで無駄のない文体で書かれてあり、至極読みやすい書です。
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