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哀歌(上) 著者:曽野綾子
日本人修道女・鳥飼春菜という名の30代半ばの女性が主人公の長編小説です。
彼女はアフリカの地にある教会に赴任していました。
日本とは価値観や生活様式など何もかもが違う異国の地で、彼女は奮闘しながら日々を過ごしていきます。
そんなある日、一触即発だった部族同士の内乱が勃発しました。
凄まじき虐殺が繰り広げられます。
電話も通じない国で、春菜の命運は一体どうなるのでしょうか?
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哀歌(下) 著者:曽野綾子
内乱真っ只中、春菜は何とかアフリカから出国します。
紆余曲折を経て日本にかろうじて帰れたものの、平和で物の溢れた周囲に違和感を覚えてしまいます。
そんな中、彼女は妊娠していることが発覚しました。
それは内乱中のアフリカで、レイプされたときの子供でした。
春菜は迷いながらも運命を受け入れて修道院を飛び出します。
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愛の年代記 著者:塩野七生
イタリア9世紀から16世紀にかけての間の愛の記録9編が収録された書です。
時と場所は違えど、”愛”の力は凄い!と、どれもうなるような強い”愛”が綴られています。
若い男の情人を自分の死の道連れにしようとした女性や、不義の妻を生き埋めにしたと男性などが登場します。
そんなゾッとする愛もあるかと思えば、ただ一度しか会ったことのない男性を生涯思い続けた真摯な愛もあったりなんかもします。
最後のヨハンナの物語は…ちょっとありえないかも…!?
ストーリーとして読む分には、楽しいですケドね。
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愛の流刑地 (上) 著者:渡辺淳一
落ち目の中年作家と北国で育った控えめな人妻との純愛官能小説。
「アイルケ」と呼ばれ、世の人々に注目を浴びた氏のエロス大作です。
前半は著者の得意とする官能描写が綴られていますが、後半はいくとこまでいってしまった男の辿る道を展開させています。
欲望のおもむくままに官能を極めてしまった男女の恋の行方はいかに?
「愛」とは何か?をおもむろに問う作品です。答えは結末に・・・。
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愛の流刑地 (下) 著者:渡辺淳一 |
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I’m sorry
mama. 著者:桐野夏生
桐野夏生氏の小説はどの作品も衝撃的ですが、本書はとびぬけています。
その凄まじき物語は、門田美佐江という名の67歳の女性が、25歳年下の夫と焼き肉店へ食事をしに行ったところから始まります。
その店で、美佐江は思わぬ邂逅をしました。
そこで給仕をしていた女性が、なんと美佐江が保育士をしていた時の孤児の少女だったです。
美佐江は懐かしさのあまり、その女性・アイに自分の住所を教えてしまいます。
彼女が実は恐るべき怪物だったということも知らずに…。
そして美佐江とその夫はその夜悲劇に見舞われて…!?
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青い壺 著者:有吉佐和子
父親の跡を継いで陶芸家になった省造。
ある日それは見事な美しい青磁の壺が焼き上がりました。
その壺はデパートの美術品コーナーに飾られることになりました。
その後、その壺は次から次へと違う人の手に渡って行きます。
壺の行先は様々です。
そこで現代社会に生きる人間模様が写し出されます。
全13話で構成された連作小説です。
第2話には心底ゾッ、とします。社会の生み出した弊害でしょうか…?
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青い罠 著者:阿刀田高
阿刀田氏が過去発表した11作の短編をまとめた書。
タイトルに「青い罠」とつけられているように、結末にどんでん返しが待っている物語が集められています。
短編の名手である氏が技巧を凝らして作り上げたスパイス風味のきいた世界がここにあります。
どれもみな最後に、あっ、といわせてくれる作品たちです。
あとがきで解説しているのが宮部みゆき氏というのもうれしい。
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赤い月〈上〉 著者:なかにし礼
第二次世界大戦中を生き抜いた著者の母親をモデルにした小説。
満州一の酒造屋にまで上り詰めた森田家は日本の敗北により崩壊。
明日をもしれぬ身でひたすら中国の地を逃げ回る――戦争の悲惨さが思い切り描かれています。
主人公波子の生き方は決して正しいとはいえない。それどころか眉をひそめてしまうことの方が多い。
でも強くしたたかで何よりも自分に正直です。そんな彼女にスカーレットの姿が重なります・・・。
日本にもこんな時代があったんだよ〜
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赤い月〈下〉 著者:なかにし礼
ドラマ化(高島礼子主演)、映画化(常盤貴子主演)されています。
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朱鳥の陵 著者:坂東眞砂子
坂東眞砂子さん独自の筆致で綴った持統天皇の生涯を主題とした長編小説です。
物語は夢解きを生業とする白妙という名の三十路の女性が故郷の常陸国からはるか遠く天皇の住まう京に召喚されたことから始まります。
彼女は現天皇の妻・皇太妃の姉である御名部皇女の見た訝し気な夢を解けと皇女自らに命じられました。
白妙は夢の謎を解くまで、内裏で采女たちと寝食を共にしながら日を超していくことになります。
その日々の中で彼女は無意識に誰かの心の中に入り込んでしまうようになりました。
そしてその心の持ち主の目を通して見ているのは夢ではなく、その人物の身の上に実際に起こった出来事であることがわかります。
さらに自分はその人物の心の内まで覗いていることにも気が付きました。
そして恐るべき事実が判明します。
自分が滑り込んでいる心の持ち主は、現天皇の祖母である太上天皇であったのです…!!
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秋の花火 著者:篠田節子
表題作を含む5編の短編が収められた文庫です。
いずれも社会の枠組みから外れてしまったダメ人間が主人公となっています。
特に「戦争の鴨たち」は、現代人を作者がシニカルな視点で捉えて書き綴っているため、諧謔的な内容になっています。
ただ他の短編集と比較すると氏特有のシャキシャキした文体感がありません。それが残念・・・。
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悪女について 著者:有吉佐和子
主人公は辣腕女実業家・富小路公子という名の女性です。
美貌も仕事の才覚にも恵まれて、その絶頂にいた彼女が突然死しました。
それも自分の持ち物の1つであるビルから深紅のドレスを着た状態でです。
自殺か他殺か!?
彼女を知る27人の人間が彼女について語りだします。
その語りから次々と彼女の秘密が暴かれていきます。
名前、年齢、出生の詐称は言うに及ばず、たくさんの愛人たちが登場します…。
ページを読み進めていくうちに、彼女を知る誰もが、彼女に思い通りに動かされた”コマ”だということがわかってきます…。
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あしたがあるから 著者:内館牧子
大手商社に勤務して9年目の令子という名の27歳の女性が主人公です。
物語はある日突然令子に辞令が下ったところから始まります。
その辞令とは、新しく発足する開発チームの部長、つまり責任者になることでした。
しかも部下になるのは自分より仕事のできる社長の娘の圭子、昨日まで令子をただの女の子扱いしていた営業部の良一です。
さらにはその良一の恋人もいました。
あと少しで恋人の建太と結婚する予定だった令子は、ただただとまどうばかりです。
しかも部下になった圭子は建太に思いを寄せている様子で、人間関係は滅茶苦茶です。
そんな中仕事は始ります。
果たして令子は一体どうなるのでしょうか―!?
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あちらにいる鬼 著者:井上荒野
実父と瀬戸内寂聴さんの恋愛を描いた井上荒野さんの長編小説です。
ストーリーは白木篤郎という名の作家の男性をはさんで、妻の笙子と愛人関係にあった作家・みはるとが交互に己の心情を語っていく形式で進んでいきます。
この白木篤郎は、妻と愛人との間に挟まれて悩みぬく純情な男性などではなく、二人の間を行き来しながらも、常に複数の女性と関係を持っていたとんでもない男性でした。
彼は平気で嘘をつく人間でした。それも凄く下手な。女性たちにはしっかりバレています。
妻の笙子は美貌の上に、料理の腕前も玄人はだしで自身も高い文学能力を持つ女性でした。
対するみはるは京都にぽんと家が買えるほどの著名な流行作家です。
そんな女性たちが、読者もあきれるくらいの男性を愛し抜いているのです。
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熱い風 著者:小池真理子
もし突然恋人が亡くなったら貴方はどうしますか?
この物語の主人公・美樹は、恋人が最後に通った道を追いかけるようにして辿っていきます。
そうすることで彼が死の間際に何を考えていたか知ろうとするのです。
と、こう書くとサスペンスドラマのようですが、内容は純粋な恋愛物語です。
主人公は日本を脱出し、アムステルダム、パリへと恋人の足跡を辿ります。
最後にたどり着いた場所に彼女の求める答えはあったのでしょうか・・・?
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あなたに「幸せな奇跡」がいっぱい起こる本 今日から始まる100%ハッピー生活 著者:高津理絵
人は誰でも「幸せ」になりたいものです。でもその「幸せ」になる方法がわからない・・・。
そんな人は本書を開いてみてください。ここには誰もが「幸せ」になれる方法が書いてあります。
「幸せ」になるなんて実は簡単なこと。「鏡を磨く」「言葉を磨く」「ハートを磨く」この3つを実践すればよいのです。
日本納税者一の斎藤一人氏を師匠に持つ著者が、書いた最良の指南書です。
相談者に実際にアドバイスをしたインタビュー形式で書かれているので、とても読みやすいですよ。
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あなたのココロがきっと元気になってくれる34のアドバイス 著者:和田秀樹
人間の一生において対人関係に悩まない人は皆無でしょう。
本書はそうした壁にぶつかったときの対応策をわかりやすく丁寧に書き綴っています。
人間関係や自分の生き方、そしてダイエット等の普通の生活に「使える心理学」が収められています。
対人関係に悩んだとき、この書を開いてみましょう。
解決策がきっとあるハズです。
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”あの日のそのあと”風雲録 著者:林真理子
「週刊文春」にて、2011年1月〜2012年1月にかけて連載された林真理子氏のエッセイ本です。
2011年は3月に”あの”震災があったため、内容のほとんどがそれにまつわるエピソードで占められています。
また氏は震災後、実際に東北へ行っており、そこでボランティア活動を行い、そのことについても描いています。
暗い年度でしたが、それでも氏は力一杯様々な活動に参加しました。
氏の力強いエネルギーが伝わってくる一冊です。
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妖しい関係 著者:阿刀田高
13作のショートストーリーが収められた阿刀田氏の短編集です。
どの作品にも、阿刀田氏お得意の何気なく過ごしている日常生活に潜む”恐怖”が織り込まれています。
阿刀田氏の著書だけあって、スラスラ読めますが、昔よりインパクトが薄くなったのが、ちょっと残念かも…。
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怪しくて妖しくて 著者:阿刀田高
阿刀田高さんの12篇の短編が収録された書です。。
どの作品も夢と現実と幻が交錯した、タイトル通り「怪しく」て「妖しい」独特な幻想ミステリーストーリーが描かれています。
霧のように掴みどころのない内容を、無駄のないシャキシャキとした文体で描いた味わい深い一級の阿刀田作品。
背筋がゾッとなりますが、読了後はしみじみとした叙情感が胸に広がります。
流石は短編の名手、大御所です。
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アラビアンナイトを楽しむために 著者:阿刀田高
「千夜一夜物語」は、一編の長編小説ではなく、長短問わず収集された物語集です。
古い時代に創作された物語群ですが、世界中で愛読されているので、誰しも、1、2編は耳にしたストーリーはあるでしょう。
でもキチンとストーリーを読み、尚且つ、理解した人はそう幾人もいないのではないでしょうか。
阿刀田氏が、この膨大な物語群の中から、12編を選択し、あらすじをまじえて解説したのがこの書です。
本書からは、この物語集の成り立ちや、まだ聞いたことのない物語を知ることができます。
「千夜一夜物語」の奥深さや魅力的な味わいを、教えてくれる書です。
何故かどの物語も美男美女ばっかりで、さすがにこれには辟易してしまいますケドね…。
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有田川 著者:有吉佐和子
素封家の地主の娘として育った千代は、自分の妹・悠紀が生まれた日、衝撃の事実を知ります。
それは自分が実の娘ではない、それも誰の子かわからない子供だったということでした。
真実を確かめる術がないまま、ある日有田川が氾濫に見舞われます。
その洪水に呑み込まれ、千代ははるか川下に辿り着きました。
命は助かったものの、自分の出生の秘密を知っている千代は家に戻る気概がありませんでした。
千代はそのままその地でみかん栽培の仕事をしながら暮らしていくことになり…!?
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ある閉ざされた雪の山荘で 著者:東野圭吾
演出家の東郷の指示により、早春の乗鞍のペンションに集められた7人の役者たち。
このペンションを、”雪に閉ざされた山荘”という設定で舞台稽古をすることになりました。
しかし肝心の東郷がやって来ません。
7人は自分たちだけで脚本なしで稽古をすることになりました。
そして第一日目、一人が姿を消しました。
稽古と思いきや、実は本当の殺人で…!?
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アンブラッセ 著者:阿刀田高
10篇の短編が収録された短編集です。
タイトルの「アンブラッセ」は、フランス語で「接吻する」「抱擁する」です。
本書にはこのタイトルの作品はありませんが、2作目の「めぐりあいて」の中に、この単語がしばしば登場します。
作品全体はあまりタイトルとは関係ありません。
全作品を通して、著者の「死生観」が織綴られています。
著者特有の日常から非日常世界への扉を開ける不思議な世界の物語群です。
夢かうつつか幻か…。
アトーダ氏特有の幻想世界をお楽しみください…。
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イスタンブール、時はゆるやかに 著者:澁澤幸子
トルコ研究家の澁澤幸子氏が初めてトルコの地を歩んだときの紀行本です。
氏が初めてトルコを訪れたのは1981年のとき。
海外旅行が珍しくない時代になってはいたものの、異国の未知の国へ女性一人で足を踏み入れるのはやはり希有なことでした。
しかし氏は少しも臆することなく、ずんずん歩を進めていきます。そのパワーにはただただ圧巻。
初めて見て、触れ、口にするものに素直に感動する氏。
旅の楽しさや醍醐味を教えてくれます。その一方でまたあわせ持つ危険性も…。
著者の目で見たトルコという国がよく著された書です。シシケバブ食べたいなあ…。
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出雲の阿国(上) 著者:有吉佐和子
歌舞伎の草分け存在である歴史上名高い踊り手”出雲阿国”が主人公の長編小説です。
物語は彼女は故郷の出雲から都へ芸の旅に出るところから始まります。
数か月ほどで戻る予定であった一座は、秀吉の側近に目をかけられ、しばらく都に滞在することを余儀なくされました。
そこでお国は観世座から飛び出してきた鼓の名手・三九郎と出合い、二人は芸を通して深い仲へと落ちていきます。
上巻は天下の権力者秀吉が亡くなるまでの時代の推移が描かれています。
時の権力者に振り回されながらも、お国は踊ります。
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出雲の阿国(下) 著者:有吉佐和子
秀吉亡き後、動乱の世となりますが、お国一座は河原に小屋を立てて舞台を続けます。
ある日、客席から美しい笛の音が聞こえてきました。
その笛の音の主は洛中で有名な天下の大歌舞伎者・名護屋山三でした。
山九郎にすでに愛想を尽かしていたお国は山三を愛するようになります。
しかしその愛は短いものでした。山三は”天下一”の異名を取るためにお国から離れて行ったのです。
愛する人との別れ、長年連れ添った相棒の死と次々にお国の身の上に不幸が降りかかります。
それでもお国は踊ることを止めません…。
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イソップを知っていますか 著者:阿刀田高
ご存知阿刀田氏の教養本「〜を知っていますか」シリーズです。
イソップのストーリーは、子供時代に道徳教育の一環として誰でも読み聞かせられているので、何作かは知っていると思います。
でもその話は実は長の年月により、脚色されていたのです。
本書では「原典はこうですよ〜っ」とお話が作られた歴史的背景をふまえて阿刀田氏が優しく解説してくれています。
イソップって、紀元前の人物だったんですよ!?ご存知でした???
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無花果の森 著者:小池真理子
新谷泉という名の専業主婦が主人公の長編小説です。
物語は彼女が暴力を振るう夫から逃れる為に、家を飛び出したところから始まります。
彼女は岐阜県の大崖という廃れた街に逃亡しました。
彼女はその地で名を変えて、高齢の女流画家の住み込みの手伝い人として新たな人生を踏み出します。
しかし、なんとその街で、ある一人の男性と思わぬ邂逅をしてしまうのです――。
芸術家の心情が巧みに表現された小池氏の傑作です。
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一の糸 著者:有吉佐和子
荒川の大店商人の娘・茜という名の女性が主人公の長編小説です。
茜は少女の頃、父親に連れて行かれた文楽で素晴らしい三味線の音を聞きます。
そしてその音を奏でた持ち主に盲目的に恋をしてしまいました。
しかしその相手である露沢清太郎には既に妻子がいました。
彼を忘れることができないまま、既に中年になってしまった茜の前になんと彼が現れました。
妻を亡くしていた彼は茜に再婚を申し込みますが、彼にはすでに前妻との間にもうけた子供が9人もいたのです。
芸に一途な夫と9人の血のつながらない子供に囲まれて、茜の結婚生活は果たしてどうなっていくのでしょうか…!?
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一瞬でいい(上) 著者:唯川恵
「あの一瞬がなかったら私たちはどうなっていたか」
ある事件がきっかけとなって、重苦しい想いを抱え込むことになった18歳の少年少女たち。
そんな彼らが錯綜しながら人生を歩んでいくストーリーです。
こんなはずじゃなかった・・・。そう、人生に後悔はつきもの。
それに対峙したとき自分はどうするか?そんな作者の問いかけが聞こえてくる作品です。
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一瞬でいい(下) 著者:唯川恵 |
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荊の城(上) 著者:サラ・ウォーターズ
19世紀半ばのイギリスが舞台の長編小説です。上下巻で刊行され、全3章の構成となっています。上巻は第2部の半ばで終了。
第1部は、ロンドンでスリを生業にして暮らしている17歳の少女スウが主人公です。
そのスウのところに馴染みの詐欺師がある仕事を依頼しにやってきたところから物語は始まります。
その仕事とは、さる令嬢に結婚詐欺を仕掛けて、彼女の持つ莫大な財産を奪い取ろうというものでした。
スウはその計画に加担することを決意し、その令嬢のいる屋敷に侍女として入り込みました。
でもそこは彼女の想像が及ばぬような場所だったのです…。果たして計画は無事成就するのでしょうか…?
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荊の城(下) 著者:サラ・ウォーターズ
下巻は第2部の後半から始まります。第2部の主人公は詐欺の獲物であった令嬢モードが主人公です。
どんでん返しの第1部終了からは、モードのおぞましい秘密が明らかにされていきます。
そして彼女自身にも予期せぬ展開が待ち受けていました。更には、彼女自身ですら知らなかった自身の真実も明白になります。
第3部でスウも復活し、役者が揃って、喧々諤々の舞台劇が繰り広げられます。
すべてを知った読み手は、登場人物たちの挙動にハラハラしどうしです。
最初から最後までどんでん返しの連続で、息をつくひまもなくページをめくってしまう物語です。
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イラン人
このフシギな人々 著者:遠藤健太郎
2011年から2年間イランの首都テヘランへ留学した時の著者のエッセイ書です。
全4章、50項目で構成され、イランでの生活が素朴で自然体な文章で綴られています。
直にイラン人の生活を感じたかった著者は、日本人になじみのない下町に住みました。
親切にされたと思いきや金銭を要求されたり、妻をセクハラされたりと波乱万丈な生活です。
さらには過剰なほどの仲間意識のためにプライベートな空間まで入ってこられてうんざりしたりもしています。
人との縁も繋がったり、切れたりで、多難な生活ですが、それでも著者はイランでの生活を楽しみました。
二度と得られない貴重な経験が描かれた書です。
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印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ 著者:中野京子
印象派の絵画は日本でもなじみ深く、また高い人気を誇っています。
モネ・ルノアール・マネなどの誰もが知る明るい色彩の美しい巨匠の作品群。
しかしそこには「近代」の凄絶な闇が秘められていたのです。
本書を読めば、「あの名画には実はこんな意味があったのか!」と驚かされること間違いなしです。
絵画を鑑賞する目が新たになる貴重な一冊です。
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インテンシティ(上) 著者:
ディーンクーンツ
遊びに訪れた友人の家に凶悪な殺人鬼がやってきた!
一家は皆殺しにされてしまいますが、間一髪で助かった主人公はなんと凶悪犯を追いかけていきます!
読みながら「何やってんだ、逃げろ!」と思いますが、それじゃ話は終わってしまう。
ごく平凡な女性の主人公が屈強な殺人鬼に向かっていく展開にハラハラドキドキです。
主人公と凶悪犯の心理的な駆け引きも実に絶妙な味わいがあります。
ラストもまた意外だったりして・・・?
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インテンシティ(下) 著者: ディーンクーンツ |
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インドクリスタル 著者: 篠田節子
甲府市にある水晶デバイスメーカーの社長・藤岡という名の男性が主人公の長編小説です。
人工水晶が”種”となる原石を探し求めて、彼はインドへ向かいました。
死と隣り合わせの危険な地で、現地人と交渉をすすめていくうちに、彼は地図に記載されていない村で望みの物を見つけました。
そしてその村で商取引を試みます。しかしその水晶には恐るべき秘密が隠されていたのです。
また、途中でロサという名の少女と出会いますが、彼女には摩訶不思議な力が宿っていました。
やがて彼女を含めての全ての縁が古くからの因習とからまりあって、恐るべき事態へと発展していきます…。
”インド”という未明の国の底知れない恐ろしさがひしひしと伝わってくる書です。
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ヴァニティ 著者:唯川恵
14作の短編・中編が収められた唯川恵氏の書です。
どの作品も文章こそ短いですが、めくるめく男女の憎愛や人間の人生観がぎゅっと、つまっています。
すべての作品が飾り気のない自然体な文章で描かれているため、小説というよりは日記を読んでいるような感覚です。
最後の中編はオチが笑えて面白いですよ。
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美しき凶器 著者:東野圭吾
かつて世界に名をはせた4人のスポーツ選手がいました。
しかし、彼らには過去がありました。
彼らはその過去を葬り去るために、それを知る唯一の人間の家に忍び込みます。
しかし彼らは誤ってその人間を殺害してしまうのです。
彼らは証拠を隠滅するために家に火をつけて逃走しました。
それをなんと恐るべきモンスターがすべて見ていたのです。
モンスターは彼らに復讐しようと追跡をはじめます…!!
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虚ろな十字架 著者:東野圭吾
愛娘を殺害されてしまった中原夫婦。
犯人は計画性のない強盗殺人者でした。
夫妻は当然死刑を求刑し、果たしてそうなります。
しかし夫婦仲は戻ることはなく、ついには離婚してしまいます。
数年後、元夫のところに、元妻が殺されたと連絡がきました。
犯人は自首しており、金銭目当ての殺害だったといいます。
しかしそれにしてな合点がいくことが少ないのです。
果たして真実は…!?
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海と毒薬 著者:遠藤周作
勤務している会社の事情で引っ越しを余儀なくされた”私”。
その”私”は気胸を打たなければならぬ病に冒されていました。
近所に勝呂という名の医師がいることを教えられ、その医院に行きますが、その医師は無口で愛想のない人物でした。
彼に興味を持った”私”は、偶然に彼の過去を知ることになります。
何とその医師は第二次世界大戦中、米軍捕虜に生体実験をした犯罪者だというのです。
勝呂の過去が次第に暴かれていきます…。
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瓜子姫の艶文 著者:坂東眞砂子
松坂(現在の三重県松阪市)の地にある稲葉屋の伽羅丸という名の遊女が主人公の長編小説です。
伽羅丸の年の功は二十一、二頃。
彼女には夢、いえ野心がありました。
それは馴染み客の巴屋の旦那の正妻になることです。
その道は難しいと思われましたが、伽羅丸はあきらめませんでした。
流れに流れて遊女となり、苦界を味わい、このまま闇に呑まれて消えていくことを良しとしなかった伽羅丸は何としても陽の当たる世界に出ようと画策します。
伽羅丸は過去は過去とし、自身の望みを叶えるべく突き進みますが…!?
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エーゲ海ゆらゆら 著者:澁澤幸子
トルコ研究家の澁澤幸子氏の紀行文です。
タイトル通り船にゆられて、エーゲ海に浮かぶ大小さまざまな島々を風の向くまま気の向くままに、氏は1カ月かけて周遊しました。
訪れる先で見た風景、出会った人々、口にした美味しい食物etcが、飾らない自然体な文体で描かれています。
読んでいるこちらも船にゆられて旅をしている気分になります。
ページをめくるたびに、エーゲ海の美しい紫紺色の輝きが目に浮かんできたり、甘酸っぱいオリーブの香りが漂ってくるほどです。
旅の基本を教えてくれる書です。
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王妃マリー・アントワネット(上) 著者:遠藤周作
遠藤流フランス革命史。フランス革命という大きな歴史の流れに翻弄される人々をアントワネットを主軸にして描いています。
登場人物たちの感情の描写が巧みで、ストーリーがなまなましく感じられます。
結末はわかっているのにもかかわらず展開がスピーディーでスリリングなため、あっという間に読み終えてしまいます。
どんなに祈っても歴史の流れには逆らえない・・・フランス革命を舞台にした氏の特有である世の無常を描いた傑作です。
「沈黙」に通ずるものがあるかも・・・?
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王妃マリー・アントワネット(下) 著者:遠藤周作 |
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王妃マリー・アントワネット 青春の光と影 著者:藤本ひとみ
日本でも人気の高い欧州の王族の娘マリー・アントワネットのストーリーです。
いまさら読まなくても「ベルばら」で彼女のことは知っている・・・という方でも是非読んでみてください。
綿密な取材に裏打ちされた彼女の真の姿がここにあります。
本書は彼女がフェルセンと本気の恋に落ちるまでまでが綴られています。
著者がバトル好きなだけあって、デュ・バリー夫人との戦いは読みごたえがありますよ!
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王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇 著者:藤本ひとみ
上記著書の続編です。王妃が断頭台に送られるまでのストーリが綴られています。
視点が王妃になっているため、民衆が俗悪な姿で書かれており、彼女の怒りがひしひしと伝わってきます。
歴史の変わり目となる革命との戦いを真っ向から挑んだ王妃。
そんな彼女から王家の誇り高さが伺えます。
彼女は死ぬまで「王族」だったのですね・・・。
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億万ドルの舞台 著者:シドニィ・シェルダン
おなじみシェルダン氏のサクセス・ストーリー。
貧乏で売れない役者エディに舞い込んだ仕事が意外な運命をもたらすことに・・・?
成功譚はたくさんあるけれど、これは自分が成功しようと意図していないのにも関わらず話が展開していくから面白い。
成功の秘訣は結局「正直」で「善良」なこと。
ハッピーな結末に読後感はスッキリ!
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夫と妻と女たち 著者:真野朋子
ある1人の男性に5人の女性がほぼ同時期に関係していく連作小説です。
男性の名前は清野潤一。PR誌の仕事をしている34歳の既婚者です。
彼はだらしなくいい加減な性格ですが、一見すると爽やかな優男なので非常に女性にもてます。
家庭があることを隠さずに、彼は知り会う女性と次々に関係していきます。
登場する5人の女性たちは、年齢や職業、性格全てが異なったタイプです。
家庭を壊さずに、他の女性たちと要領良く楽しくつきあいをこなしている…と、思っていたのは本人だけでした。
女性たちは、彼が愚かで浅はかな駄目男ということをとうに知りつくしていたのです。それは当然、伴侶である妻も同様でした。
最後通牒を出すのいつだって女性側なのだということに、彼は一体いつ気づくのでしょうか…?
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男の気持ちがわからない君へ 著者:秋元康
人気作詞家・秋元康氏の指南(?)エッセイ集。
本書はタイトル通り、男性の本音が赤裸々に綴られています。
片思いでも両思いでも男性の気持ちがわからなくて悩んでいる女性は大勢いることでしょう。
男性にとっての「恋」とは?「仕事」とは?そして「結婚」「人生」とは?
男性の気持ちがわからなくなったとき、戸惑いを覚えたとき、本書を開いてみてください。
なるほど!と納得できる答えを見つけることができるでしょう。
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女たちのジハード 著者:篠田節子
第117回直木賞受賞作品。
過酷な男性社会の中で自分の生き方を模索しながら見つけていく5人の女たちのストーリーです。
等身大の現代社会の実情が見事に描きだされています。
厳しい現実に真っ向から立ち向かっていく女たちの生き方はまさに「聖戦(ジハード)」。
「この世は男のためにある」んじゃない!!
くじけそうになっととき読んでみてください。彼女たちからきっと勇気と元気をもらえるはず・・・。
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女の一生 一部 キクの場合 著者:遠藤周作
時は幕末。長崎の商家へいとこのミツとともに奉公に出たキクという名の少女が主人公の物語です。
奉公に出る前、清吉という少年に出会っていたキクは、奉公先で偶然に彼と再会を果たします。
キクは清吉に惹かれていきますが、実は彼は”クロ”と呼ばれる隠れキリシタンだったのです。
幕府の弾圧が厳しくなり、清吉は津和野へ流刑され、過酷な拷問を受けます。
キクは清吉を助けるため、身を堕としますが…!?
果たして、二人の愛の行方はどうなるのでしょうか?
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女の一生 二部 サチ子の場合 著者:遠藤周作
一部の主人公であったキクのいとこのミツの孫娘サチ子が今度は主人公です。
時は第二次世界大戦前、政府の政策により、信仰の自由が許された世の中になりました。
サチ子はミサへ通うことを欠かさないキリスト教徒でした。
その彼女は幼馴染の修平と、たどたどしいながらも恋を育んでいきます。
しかし戦局が敗色濃くなると、キリスト教徒への世間の態度は硬化され、そして学生だった修平も徴兵されてしまいます。
修平は世情とキリストの教えに挟まれながら苦悩し、戦火の中へと散っていきます…。
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女ひとり、イスラム旅 著者:常見藤代
著者が過去旅したイスラム圏の国の紀行文本です。
チュニジア、ヨルダン、パキスタン、モロッコ、オマーン、エジプト、シリアと全7章に渡って構成されています。
著者の興味が男女の仲、結婚、家庭にあるので、女性には興味を持って読める書です。
過激派組織や核問題によりあまり良いイメージはないイスラム教ですが、意外と寛容なのでびっくりです。
特に婚姻に関しては面白い逸話がたくさんあります。
結婚支度金は全て男性側持ちとか、嫁入り道具の必須に大量のセクシーランジェリーがあるとか…。
女性に有利な条件が多く、イスラム圏のイメージが変わる一冊です。
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