翡翠の森の図書館書庫【ナ行】

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図書館書庫　　－作品タイトル50音順に所蔵しています－

はおすすめ作品です。かたつむりさんはアフリエイトなしです。

ナ行

永すぎた春　著者：三島由紀夫

T大法学部学生の郁夫と古本屋の娘百子は、家格の違いにも関わらず婚約しました。

結婚するのは、郁夫が大学を卒業してからの約束です。

その二人が、結婚するまでの紆余曲折の日々が綴られています。

婚約したからといって、安心してはいけません。

幾多の障害が二人の前に現れます。

それを１～１２月までの月毎に描いた長編小説です。

中野京子と読み解く名画の謎　陰謀の歴史篇　著者：中野京子

中野京子氏の｢名画の謎」シリーズ第３弾。

今回は世界の歴史を主題にした絵画が解釈されています。

全１７章で構成されています。

「百聞は一見にしかず」とは、まさにその通りです。

巨匠が描いた一枚の絵画が、その時代のすべてを物語ってくれます。

教科書で学んだ曖昧な史実のイメージが、確固たる形となって脳裏に浮かび上がってきます。
特に１１章に著されている”エリザベス”の人間像には、生々しいものがあります…。

中野京子と読み解く名画の謎　運命の絵　著者：中野京子

人は誰でも生きている限り、人生の岐路に立つ時があります。

右に行くか、左に行くか。

それを決めるのは自分自身…いいえ、実は決められた宿命なのです。

人はそれを”運命”と称しています。

その”運命”の分岐点にたった名画を紹介したのが本書で、全１７章で構成されています。

”運命”の絵を、自分自身の人生と照らし合わせてじっくりお読みください。

中野京子と読み解く名画の謎　運命の絵　もう逃れられない　著者：中野京子

本書は17の「運命の絵」についての解説書です。
「運命」を切り開いていったもの、殉じたもの、抗えなかったもの、あきらめてしまったもの、転じたもの、それぞれが紹介されています。
また、作品についてだけでなく、描かれた当時の人物相関関係や歴史背景などがわかりやすく書かれてあり、さして絵画に興味のない方でも面白く読める教養書です。
”取り上げたのは運命をテーマにした作品ばかりではありません。その絵を制作したがゆえに、またその絵に関わったがゆえに、幸運を、あるいは不運を招いてしまった画家やモデルや所有者のその後などにも触れました。”
あとがきより――。

中野京子と読み解く名画の謎　旧約・新約聖書篇　著者：中野京子

聖書を主題にして描かれた絵画を中野京子氏が解釈した教養書です。

聖書に関する全体的な説明はもちろんのこと、その中の矛盾点や新約と旧約の違いなどが、実に詳しく書かれています。

また教養書とはいっても、読み手に興味が湧くような気さくなエッセイ文体で書かれている為、とても読みやすいです。

今まで近寄りがたかった宗教画が、身近に感じられる一冊です。

中野京子と読み解く名画の謎　ギリシャ神話篇　著者：中野京子

ギリシャ神話を主題とした名画を中野京子氏が解釈した本です。

「ゼウス」「ヴィーナス」「アポロン」「その他の神々」の4章で構成されています。

ギリシャ神話に詳しい人もそうでない人も、また絵画に明るくない方でも楽しんで読めます。

メディアが発達されていなかった時代、絵画が最大の娯楽であったことがよくわかります。

そしてまた絵画の奥深さも知ることのできる一冊です。

中野京子と読み解く名画の謎　対決篇　著者：中野京子

中野京子氏のおなじみの「名画の謎」シリーズ第4弾です。今回は対決篇です。

同主題を取り扱った2作品が比較されて、全20章に渡って紹介されています。

同じ主題でも、描く作者や画家が異なれば全く違う作風になるのは当然です。

でも何故一方では絶賛され、一方では批判されるのでしょうか。

また同じ人物を描いても一方ではとてつもなく美しくで描かれ、一方ではおそろしく醜く描かれていたりもします。

本章内の「麗しの王妃」対決では、本書の表紙になっているエリザベードとウジェニーが比較されています。

これはどちらもヴィンター・ハルターが描いていますが、果たしてどちらが美しいのでしょうか？

これは作者も著していましたが、好みの問題だそうです…。

ナニカアル　著者：桐野夏生

文学史上に名を残した偉大な女流作家・林芙美子を主人公にした長編小説です。

物語は平成元年、芙美子の姪である房江が彼女の未発表の原稿を見つけ出したときから始まります。

そこには、彼女の切なく哀しい秘密が書かれていました。

大作家・林芙美子には、タイトル通り、「ナニカアル」のです。その「ナニカ」とは…！？

第二次世界大戦さなか、背徳の愛を貫いた作家の真の姿が本書に描かれています…。

大戦中の日本国の動きがよくわかる島清恋愛文学賞と読売文学賞を受賞した名作です。

ナポレオン千一夜物語　著者：藤本ひとみ

ナポレオンの物語です。彼の誕生時から皇帝として君臨するまでの人生が書かれています。

とはいっても堅苦しい歴史の教科書のような書ではありません。

ナポレオンが自分の出世物語を愛人マリー・ヴァフレスカに語りかける文体で描かれているので、とても読みやすくあります。

まるで本当にナポレオンが話しているかのような感じです。

彼は戦場で数多くの勝利を治めましたが、その戦闘の様子が実に細かくわかりやく描かれています。

歴史舞台を実際に見てるような感覚で読める、氏の傑作です。

ナポレオンの宝剣　愛と戦い　著者：藤本ひとみ

ナポレオンの回想録です。ナポレオンが自分の過去を妻ジョゼフィーヌに語りかける口語体で描かれています。

回想はナポレオンがロシア遠征に向かう前のとき、ジョゼフィーヌの館で二人で朝食を取っているときに語られます。

すでにこのとき二人は離婚しています。ナポレオン帝国にも影が差し掛かってもいました。

二人の語らいは皇帝や皇后というよりも普通の夫婦みたいな感じがします。

氏はよくナポレオンの性格を把握していると思います。ジョゼフィーヌのもですけど・・・。

ナミヤ雑貨店の奇蹟　著者：東野圭吾

3人の若者たちが空き巣狙いをした後の場面から物語は始まります。
真夜中に窃盗をした3人の若者たちは、朝まで人目のつかない「ナミヤ雑貨店」という名称の廃屋に隠れ潜むことにしました。
入り込んで少し後、周囲に人気はなかったはずなのに、突然その廃屋のシャッターの郵便窓口から一通の封書が投函されてきました。
中身を開けてみると、ある女性からの悩み相談の手紙でした。
差出人はペンネームで書かれてますが、内容は深刻です。
3人は喧々諤々しながらもその女性に返信を書き、そして差し出された手紙の指示通りに牛乳箱の中に投函しました。
すると不思議なことにあっという間に再びのシャッターの郵便窓口からその返信が届いたのです。
奇妙で不可思議な時空を超えた手紙の交換が始まりました…。

二重生活　著者：小池真理子

主人公の珠は都内にある大学院に通う２５歳の女子学生。

その珠がある仏文学の講義を受け、それに感銘を受けて奇怪な行動を取り始めるところから物語は始まります。

その奇怪な行動とは、ある一人の特定の人物を尾行するということ…。

珠はその特定の人物に、自宅のマンションの窓から見える隣家の主人に選びました。

幸せな家庭を持つ良き夫である彼の後を追うようになった珠。

そして彼女は見つけるのです。彼は隠された秘密を…。

日曜日の女たち　著者：真野朋子

毎月第三日曜日に開催される「日曜倶楽部」と称する会合に集う５人の独身女性たちが主人公の物語です。

女性たちは、年齢や職業等異なっていますが、ある共通項がありました。

それは自分たちの恋人が、結婚している男性ということでした。

家庭のある男性とは当然のごとく日曜日に会うことはできません。

その悲しみを互いに慰めあい、励まし合うために、彼女たちはこの会を開催しているのでした。

「日曜日の女たち」は本音を吐ける友人たちと寂しい日曜日をやり過ごします。

彼女たちの恋の行方はどうなるのでしょうか――！？

人魚の眠る家　著者：東野圭吾

物語は幼い少女がプールで水難事故にあったところから展開していきます。
少女は意識不明の重体になり、生存は絶望でした。
心臓は動いてはいるものの、「脳死」は間違いないと医師から判断を下されました。
しかし母親はあきらめきれず最新の医療技術を駆使して少女を延命させるのです…。
決して目を開けない言葉を発しない「人魚」のような少女を中心に物語は織りなされていきます。

額田女王　著者：井上靖

歴史上有名な蘇我氏暗殺事件「大化の改新」後から物語は始まります。

主人公はタイトル通りこれまた歴史上最も有名な女流歌人の一人である”額田女王”。

彼女は時の執政者の一人、大海人皇子に求愛され、皇女を生みます。

その後、さらに皇子の兄である中兄上皇子にも求愛されます。

二人の時の権力者の愛に挟まれながらも、額田は女性として、母として生きることを良しとしませんでした。

彼女は自身に、体は与えても心は与えないと心に決めます。

そしてただ神の声を聞く采女として生きていこうと決意しますが…！？

眠る魚　著者：坂東眞砂子

東日本大震災により浮き彫りにされた日本の社会機構の脆さ危うさを主題にして描かれた長編小説です。
主人公は伊都部彩実という名の三十路後半の女性。
彩実は南太平洋の島バヌアツで暮らしていましたが、日本から実父が死んだという知らせをうけ、彼女は帰国します。
幾年かぶりの故郷は変わらずにあったと思いきや、震災による弊害とおぼしき事象が見受けられました。
表面上は何事もなかったように日常生活が営まれています。
彩実は亡父の法要、そして家の整理の終了後にバヌアツに戻ることを決めました。
しかしその直後、彼女は自分が癌にかかっていることを医師から宣告されてしまったのです…。
本書は坂東眞砂子さんの未完の絶筆書でもあります。

望みは何と訊かれたら　著者：小池真理子

優しい夫とともに穏やかで不自由のない生活を送る沙織。
しかし彼女には忘れられない過去があった！忘れられない人がいた！

物語は主人公がその忘れえぬ人とパリで再開したところから始まります。

全共闘という波に呑み込まれてしまった沙織。
そんな彼女の過去を回想していく形でストーリーは展開していきます。

そして封印していた「欲望」が蘇ってしまうのです。その「欲望」とは・・・？

「人間の望む究極の愛の形」を氏は己の人生を振り返り、そして重ね合わせながら描いた、と思える作品です。

野ばら　著者：林真理子

二人の年若い女性が主人公。
一人は宝塚の娘役、そしてもう一人はライターという実に華やかな世界で生きている女性たちです。

本書はその二人がそれぞれ違うタイプの男性と恋をしてそしてなんとしても結ばれようと奮闘するストーリーとなっています。

容姿や仕事を人並み以上恵まれた彼女たちが、望む「恋」を手に入れられない・・・。それどころか不幸な道へと進んでいく・・・。

「人の不幸は蜜の味」。それが自分よりもはるかに恵まれた環境にある人にあれば尚更のこと――。
だから、本書は、面白いです・・・。