コメットさんにも華がある

著者:川原泉

 

 

「レナード現象には理由がある」の続刊本です。

物語の舞台となるのは、もちろん私立・彰英高校。

偏差値85超の優秀な生徒たちが集う全国TOPの学校です。

その優れた生徒たちは、全国各地から集まってくるので、当然自宅通勤が不可能な生徒も出てきます。

その生徒たちは学校の寮か、近場のアパート等に住んで通勤するわけです。

優等生の集まりとはいえ、それは個性を持った人間です。

その人間の数だけ物語は存在するのです。

本書には4篇の物語が収録されています。

 

「その理由には無理がある」は、ひょんなことから生徒会長の不破君に、男性にもてる(!?)花村瑞紀君だと誤解されてしまった佐倉水樹さんのストーリー。

水樹さんは、自分が別人であるという不破会長の誤解をとかないまま、どんどん彼と親しくなっていきます。

不破会長は自分がホモではないかと不安になってしまいます。

しかし、そんな誤解は長続きしません。

ある日とうとうばれてしまい…!?

 

「その科白には嘘がある」はある日突然霊が見えるようになってしまった月島水音さんのストーリー。

物語の始まりは彼女の住むアパートに一人の男性が越してきたところから始まります。

その男性の名は神城理人さん、彼女の学校の臨時の副担となる人でした。

その彼は素晴らしい守護霊に守られていました。

でも何故か本人自身は悲しみに打ちひしがれているご様子。

おまけに料理も上手ではありませんでした。

一人暮らしなのにどーすんだ、と思いきや、心やさしい水音さんは、毎日彼に夕食を作ってあげたのです。

そうしているうちに彼の沈んだ理由がわかってきて…!?

 

「グレシャムには罠がある」は、経営している会社が倒産してしまい、貧乏生活を余儀なくされている山吹みちるさんのストーリー。

その彼女はアルバイトで生計を立てながら、一人暮らしの学生生活を送っていました。

その彼女と同じクラスには陣内君という有名大手企業のオーナー会長の孫がいました。

つまりは超がたくさんつく大金持ちのお坊ちゃんです。

ある日みちるさんは、その陣内君から「自分の部下にならないか」という奇妙な勧誘をされました。

極貧生活にあえいでいたみちるさんは、ついOKしてしまいますが…!?

 

「コメットさんにも華がある」は、学生生活と役者業を二足草鞋をしている彬良航君のストーリー。

有名な芸能一家に生まれ育ち、自身も俳優として活躍している彬良君。

しかし彼には悩みがありました。

それは華とオーラがないということ。

それを同じクラスのゾンビ映画好きの真島紗矢さんに指摘されてしまいます。

自分の気にしていることをズバリ言われて傷つかない人間はいません。

彼はすっかりふてくされてしまいます。しかしそれは大きな誤解だったのです…。

 

全作品ハートフルでほのぼのとした作品です。

結末はもちろんすべてハッピーエンド。

川原泉氏らしい作品です。

 

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