「メイ」

 

☆作品鑑賞☆☆

 

画面の中に静かに跪いている一人の女性の姿があります。

女性は手にしている本を開き、そこに目を落としています。

その姿は華美ではないものの洗練されており、全身に気品が漂っています。

また女性の目鼻立ちの明瞭さから、彼女が非常に美貌だということがわかります。

この女性は一体何者なのでしょうか?

彼女の名はメイ・プリンセプ――画家ヴァレンタイン・プリンセプのいとこにあたる女性です。

これはワッツが祭壇の前で祈りを捧げているメイの姿を描いた作品です。

プリンセプ家と懇意であったワッツは、一家とともに暮らし、そしてメイの肖像を幾枚も描きました。

(メイはワッツの他、ヴァレンタインの絵やジュリア・マーガレットの写真のモデルも務めています)

これはそのうちの一作で、その代表作品となっています。

 

本作は1867年にロイヤル・アカデミー展に出品され、大好評を博しました。

肖像画部門に展示されたのにも関わらず、「アート・ジャーナル」誌に「想像的主題」作品と記されたほどです。

またその論評の中ではこう評価されています。

「色彩と繊細な感情表現の素晴らしさゆえに、多くの人々から賞賛される」と。


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