「ボレアス」

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス

1903年制作 個人

 

 

 

ビュオオオオ…。

画面の中で強風が吹き荒れています。

その凄まじさは描かれている傾いだ木々や草花を見れば一目瞭然です。

女性が一人描かれていますが、彼女は自分の上衣がふきとばされないように、必死で押さえています。

轟音とともにキャンバスの外まであふれでてきそうな勢いの風です。

その風はボレアスという名の北風の神。

ギリシャ神話に登場する1神です。

姿こそ描かれていませんが、彼は怪力の持ち主で、トラキアの山の洞穴に住む有髯有翼の神です。

ボレアスは画面に描かれている女性に恋し、彼女を連れ去ってしまいます。

画面はその場面を描いています。

この女性の名はオレイテュア。

アテネ王エレクテウスの娘です。

彼女は春の野辺で花を摘んでいました。

そこに突然、北風ボレアスが襲いかかったのです。

連れ去られたオレイテュアは、ボレアスの妻となり、有翼の双子の兄弟カライスとゼテスを産みます。

まさしく愛は突風ですね。

 


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