「少女の頭部」

ヨハネス・フェルメール

1666-67年制作 メトロポリタン美術館所蔵

 

 

 

 

画面の中から振り向きざまにこちらを見ている一人の少女の姿があります。

その姿はタイトルの「少女の頭部」という通り上半身のみだけで、背景には何も描かれていません。

少女はヴェールできちっとくるまれた形の良い頭部を我々に見せながら、婉然とほほ笑んでいます。

小鹿のように可憐な瞳、薄く清淡な紅色の唇。とても愛くるしい少女ではありませんか。

また実に清冽です。

そして背景色が黒色の上、荘厳な色調で描かれているのにも関わらず、爽やかさも漂っています。

本作品はフェルメールの代表作である「真珠の耳飾りの少女」と同様の構図・色調ですが、全く異なっていますね。

この作品には「真珠の耳飾りの少女」に感じられる神秘さはありません。

簡素な美しさがあるだけです。

フェルメールの作品は物語的で寓意を含むことで知られていますが、このように写実的でわかりやすい単独の肖像画は極めて珍しくあります。

ですがやはり本作品も「真珠の耳飾りの少女」同様、強烈な印象を受けます。

一度みたら忘れられない少女の姿です。

 

 


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