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「あずまやのある草原」 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 1871-72年制作 マンチェスター市立美術館所蔵
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画面の中に対をなすようにして座っている二人の女性がいます。 何という美しい女性たちなのでしょうか!世にも稀な美貌の持ち主たちです。 彼女たちは一体何者なのでしょう?もしかしたら、天上の女神――?。 いいえ、違います。女神のごとく見目麗しい容貌はしていますが、彼女たちは実在の人物です。 右側に座っている豊かな亜麻色の髪した女性はアレクサ・ウィルディング。 ロセッテイのお気に入りのモデルだった女性です。 ロセッティはその生涯において彼女をモデルにした作品を何枚も描きました。 アレクサは透き通るようなグリーンの瞳をしていて、それと同色のゆったりとした衣服をまとっています。 そして左側に座って美しい横顔を見せている女性はマリー・スティルマン。 美貌で知られたラファエル前派の女流画家です。 彼女は緋色の衣を纏い、豊かな黒髪を綺麗に結い上げて渦巻状の貝の形をした髪飾りをつけています。 二人の美女たちはそれぞれ異なる楽器を手にしています。 アレクサはチターを、そしてマリーはプサルテリウムを。 彼女たちは今その美しい手で曲を奏でているのです。 その間からはその調べに併せて踊っている二人の女性の姿が見えます。 そしてその背景には素朴な草地の風景が広がっており、掛け布なびかせながら歩いている女性の姿も見えます。 実にのどかな光景ではありませんか。 一体ここは何処なのでしょう? これはロセッティが実際に見た景色――セヴン・オークスのノール・パークの風景なのです。 ごくありふれた景色ですが、何故か現実離れして夢の中の世界のような感じがしませんか? それはこの美女たちがそうさせているのです。 類まれな美しさというものは周囲の風景をも天上世界のように変えさせてしまうものなのですね。 この二人の美女たちについてはこう語られています。 「理想とする女性像の象徴・・・具体性のない、実現不可能な夢のようなものに心奪われる存在」
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