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「シンデレラ」 ヴァレンタイン・キャメロン・プリンセプ 1899年制作 マンチェスター市立美術館所蔵
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みすぼらしい衣服を纏った少女が、薪をくべている火の横の壁によりかかり、どこかしら不安気な表情で遠くを見ています。
衣服の上に着けている薄汚れたエプロンの裾をつまみ上げ、ハンモック上にしたその中に小枝を入れて抱え持っています。
なんと彼女は裸足です。
一見してこの少女が不幸な境遇にいることがわかります。
彼女は誰なのでしょうか?
彼女はそう「灰被り姫」、世界中の人々に愛されている物語の主人公です。
魔法使いによって美しい姫へと変身し、王子様に見初められる少女なのです。
これはその変身する前の彼女の姿を描いた作品です。
貧相な服装をしていますが、とても可愛らしい少女であることがわかります。
健やかで初々しい頬や手足が目を引きます。
またそれに加えて彼女は亜麻色の豊かな髪と澄んだ瞳を持っています。
これらがこれからの彼女の美を容易に連想させています。
足元には大きな南瓜があります。
やがて彼女はこの南瓜が変身した馬車にのって王子様の元へと行くのです。
美しい衣装を纏い、ガラスの靴を履いて王子様と踊る姿が脳裏に浮かんできませんか?
プリンセプは「シンデレラ」の物語を暗示も含めた形で、この場面の一節を脚色することなく写実的にキャンバスに描き出したのです。
「シンデレラは裾を持ち上げたエプロンの中に台所にくべる小枝の束を抱え、裸足で、髪を足らしている。シンデレラは彼女を苦しめ、
下女のようにこき使う継母の娘たちが、さらに何かを命令するのを待ち構えているかのように、あたりを見回している」
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