「おさげ髪の少女」

アメディオ・モディリアーニ

1918年制作 名古屋市立美術館所蔵

 

 

 

 

官能的な裸婦を多く描いたモディリアーニですが、実は少女の肖像も何点か描いています。

この作品はそのうちの1つです。

少女は上半身のみの姿で描かれており、少女らしいピンクのとっくりのセーターを身につけています。

少女の肖像ではありますが、モディリアーニ特有の細長い顔と首の描写はそのままです。

少女は真正面を向き、射るような視線をこちらに向けて、背筋をしっかり伸ばして椅子に腰掛けています。

瞳のないうつろなまなざしの人物を描くことが多かったモディリアーニですが、この少女には描きこんでいます。

そのガラス玉のような瞳は、まるで見ているこちらの心を映し出してしまうかと思われるほど透き通っていいます。

まるで少女の透明な心がその瞳に現れているかのようです。

少女は、本作家が描く裸婦らと同様に褐色の肌をしていますが、彼女たちに見られる退廃さはありません。

半分開いている口からは白い丈夫そうな歯が見え、また頬はほんのりと赤く染まっています。

全体的に健康的でとても生き生きとしています。

少女の背景には椅子とドアが単調的に描かれており、その分強く少女の存在が浮き出されています。

この作品のモデルになった少女は親しくなった農家の娘だといわれています。

きりっとした顔つきの形の良い容貌は彼女のこれからの美を連想させます。

やがて少女は美しく成長し、モディリアーニの描く官能的で強烈的な存在を持った女性へと変貌するのでしょう。

モディリアーニはそうなる前の少女の姿をまるで聖像画のごとくキャンバスの中に永遠に閉じ込めたのです。

  


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