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「ドブロイ公爵夫人」 ジャン=オーギュスト=ドミニク=アングル 1853年制作 メトロポリタン美術館所蔵
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嫌いな分野であったのにも関わらずアングルは生活のために肖像画を数多く手がけました。 彼はナポレオンをはじめ、当時権勢を誇っていた主導者的人物を多く描いています。 この「ドブロイ公爵夫人」もそのうちのひとつです。 ドブロイ公爵夫人は第二帝政時代の最も教養あるサークルメンバーの一人でした。 夫人の身に着けている衣装や装飾品、そして背景に描かれている豪奢な調度品から、彼女が相当の富裕層の出身であることがわかります。 陶磁器のような美しい肌を露わにした格好をしていますが、慎み深い雰囲気は少しも損なわれていません。 モデルの性格をも的確に描き出すアングルの画才がここに発揮されています。 なんといってもすばらしいのは婦人の纏っている水色の衣装です。 見事な質感ではありませんか。本物の絹をキャンバスに縫いこんだかのようです。 この生き生きとした姿をした美しい夫人はわずか35歳の若さで早世してしまいます。 彼女の夫であった公爵は、彼女の死後手向けとしてこの作品を垂れ布覆い保存しました。 その後この作品は1957年に遺族から購入したロバート・レインマンの手に渡ることになります。 この作品に描かれている宝石類は今も彼女の遺族が所有しているとのことです。
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