キャット・ピープル それは禁断の恋の始まり、悲劇の幕開け・・・。

1982年作米国作
監督:ポール・シュレイダー
出演:ナスターシャ・キンスキー/ジョン・ハード
【あらすじ】
別々に育った兄と一緒に暮らすためにニューオリンズにやってきたアイリーナ。
何年かぶりに兄ポールと再会を果たしたものの、彼はどことなく妖しげな風体。
彼女は彼からいぶかしげな気配を感じ取っていたものの、兄妹の再会に喜びを示す。
そして事件は起こった。売春宿で客を待っていた売春婦が突然黒豹に襲われたのである。
街は当然のごとく大騒ぎになった。黒豹はなんとか捉えられ動物園に搬送されたが、何故かそのときから兄ポールが姿が見えなくなっていた。
兄の行方を心配する反面、恐ろしい予感にとらわれるアイリーナ。
彼女はその後、偶然にもその黒豹を捕らえた動物園の園長オリバーと親しくなる。
その様子を見つめる捉われた黒豹。実はその黒豹こそ、兄ポールだったのだ。
そしてアイリーナは人間に戻ったポールから驚くべき真実を聞かされることになる。
自分たちが、人間を愛したら黒豹に変身してしまう猫族の末裔であるということを。
だがすでにアイリーナはオリバーを愛し始めていてた・・・。
【翡翠の勝手に作品解説】
Uh・・・・・・・・Uh・・・・・・・・・Uh・・・・・・・・。
デビッドボウイの歌声で始まるこのストーリーは禁断の恋の悲劇の物語である。
妖艶な猫族の娘・アイリーナを演じるのは往年の大スター・イングリッド・バーグマンの再来といわれたナスターシャ・キンスキー。
ポール監督はこの役は是非彼女にと、強力なまでに押し切ったそうだがそれも納得がいく。
彼女ほどこの役にぴったりな女優はいない。
エキゾチックな顔立ち、鋭い眼光、そしてしなやかな体つきを持つ彼女はまさに猫族の娘そのものである。
物語のヒロインであるアイリーナは、当初自分が黒豹に変身してしまう猫族の末裔とは知らない。
だが真実を知り、オリバーへの愛が深まっていくにつれ、彼女の表貌はみるみる変化していく。文字通りの豹変である。
画面を追うごとに、彼女の双眸は人間のそれから獰猛なそのものになっていき、観客は彼女から目をはなすことができなくなる。
作品の見どころはその彼女の豹変ぶりと場面の幻想的な美しさである。
物語の序幕、そして中盤にアイリーナ兄妹たちの王国が幻となって映し出される。
砂漠にそびえたつ枯れた木に体をからめさせている黒豹たち。彼らはアイリーナの一族なのだ。
そのシーンは切なく悲哀に満ちていながらも美しくある。またデビットの低い歌声がさらにその場面を魅力的に見せている。
人を愛すると黒豹へと変わり、誰かを食い殺さなくては人に戻ることができない・・・。そんな宿業を背負って生まれたアイリーナ。
彼女は真実を知った後も、人を愛することをやめなかった。深くオリバーを愛してしまった彼女のとった選択は・・・。
それは映画を見てみよう。自分ではどうすることもできない宿業に身をゆだねたヒロインの悲しい結末は涙を誘う。
最後、アイリーナは檻の中に入った黒豹として登場する。
黒豹の顔がナタキンとだぶって見えるから、彼女の演技は見事というもの。
今から30年近く前に制作された映画であるが、その鮮烈さは今も失われてはいない。
(ちなみにこれは1942年制作された作品のリメイクであるということを一応加筆しておく)
特にナタキンの美しさはぞっとするほどだ。弱冠20歳の彼女の素晴らしき演技と美貌に拍手!
血が苦手でない人は、是非ご覧あれ。
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