ポイントプレザントの悪夢

 

2005年米国作(全13話)

製作総指揮:ジョン・マクラフリン/マーティ・ノクソン

出演:エリザベス・ハーノイス

 

 

 

2005年にFOXによって配給されたオカルトドラマ。全13話のストーリーだが低視聴率だったため、TVでは8話までしか放映されなかった。

確かに作品自体はおそまつで、物語途中で飽きてしまうことも否めない。魅力的な題材が詰まっているだけに実に残念である。

製作者も有能な方たちばかりだったというのに・・・。でも、だからこそだったのかも・・・。まとまりがつかなくなってしまったのではないか?

芸術の共同作業は困難である。個性と個性がぶつかりあうからだ。上手くいく場合もあるが、そうでないことの方が多い。

この作品は多分後者だったのだ・・・。役者陣はやりづらかったんじゃないか、とわしは勝手に推測している。

 

ストーリーはいたって単純。ポイントプレザントという街に悪魔の血を引く娘が出現し、世界を破滅にもたらすというホラーアクションである。

主人公はその悪魔の力を宿したクリスティーナという名の超・超・超美少女。お決まり通り瞳には「666」の刻印が・・・。

お年は大人とも少女もいえる18歳。その彼女が予言どおりポイントプレザントの街に現れたところからストーリーは始まる。

冒頭では彼女は自分が悪魔の子であることを知らない。彼女自身はいたって聖女のような少女だ。

が、悪魔である彼女の父は彼女を使って世界を破滅に導こうとする。彼の部下が彼女の心を悪に染めようとあの手この手で攻めてくるのだ。

もちろんそれを抑制する人物も登場する。これはやはりセオリー通りで、悪魔の対極にいる天使である。

その天使の血を引くものが彼女を封印しようとするのだ。果たして世界の行方はどうなるのか・・・?

 

その結果は最終話で見ることができる。最後クリスティーナは完全に悪魔の娘として覚醒し、世界を破壊し始めるのだ。

が・・・。それがずいぶん中途半端なのである。陳腐なハッピーエンドにはならなかったのはいいが、これには全くスッキリしない。

最後まで座高のあわない椅子に無理に座らせられ続けたような気分で終わるのだ。

人間は誰しも根底に破壊願望を持っている。だからこそクリスティーナには思いっきりめちゃくちゃに、世界を壊してほしかった。

完全に悪に染まったクリスティーナが「死ね死ね死ね!このくそ豚どもがあ〜」って街を破壊しまくる女王さま姿をわしは見たかった。

自分のできないことを映像化して見せるのは、映画の役割のひとつだと思うのだが・・・。

クリスティーナに自分を重ね合わせて、虚構と虚栄に満ちたこの世界を思う存分破壊しまくったらさぞかし気持ちよかろうと思う。

どうせなら最大級に怒りを高め、思いっきりたくさんの人を殺して、何もかもぐっちゃぐちゃにぶっ壊してほしかった・・・。

美貌のエリザベスが怒った姿はさぞかし美しかろうと思う。女性がもっとも美しく見えるのは笑顔でもなく、泣き顔でもなく、怒り顔だと思うのだ。

それも純粋な・・・。(ぶすは怒ったら余計ぶすになるけどさ)

 

ドラマではなく二時間枠の映画にすればよかったのではないか・・・と思う。

サスペンスやホラーは長くだらだら続けるよりも、短時間でギュっとぶつけた方が心により強烈な印象を残すのだ。

お化け屋敷だって長い時間入ってたら感覚麻痺して怖いと思わなくなっちゃうでしょ?

無駄なシーンが多かったような気がする・・・。クレイマー一家の存在やボイドの過去の回想も必要ない、とわしは思うのだ。

余分なところをビシバシ省いて展開をもっとスピーディーにすれば、視聴者の望んだ形の作品が出来たのではないか。

惹きつけられるテーマのストーリーだけど、本作は「ぜひ見てください」と言えない・・・。

まあ主役のクリスティーナを演じるエリザベス・ハーノイスはかなりの美貌なので、彼女を見るだけでも価値はあるとは思うが。

演技力は・・・表情の作り方や雰囲気の出し方は上手だが、科白回しはイマイチ。

このあたりは今後を期待・・・というところか。(←えらそーやね、わし)

主役はそのままで、映画に創りなおしてリベンジ!・・・にはならないか・・・。

 


 

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