デスパレートな妻たち

 

2004年ー2012年 米国作(全8シーズン)

製作総指揮:マーク・チェリー

出演:テリー・ハッチャー/フェリシティ・ハフマン/マーシア・クロス/エヴァ・ロンゴリア・パーカー

 

 

 

ウィステリア通りはアメリカの郊外の都市にある瀟洒で閑静な住宅街である。

ある日そこで事件が起こった。

そこに住む主婦メアリー・アリスが拳銃自殺したのである。理由は不明。

彼女には長年連れ添った夫と15歳になる息子が1人おり、周囲の住民たちとの関係も良好であった。

突然の出来事に、ウィステリア通りの住民たちの身辺が騒がしくなる・・・。

 

と、こんな感じで物語の幕は開く。

いかにもアメリカ的なドラマである。

暗い話のはじまりなのにもかかわらず画面は明快であり、ストーリーの展開はアップテンポで軽快だ。

序章だけ見ると、サスペンスストーリーかと思うが、実はそうではない。

このドラマにはすべてが含まれているのだ。

サスペンス、コメディ、ファミリー、ヒューマンドラマと。

主人公はいったい誰か?というと・・・。

それはウィステリア通りの住民すべてであるといえよう。

だから登場人物がかなり多い。

が、登場する人物の描写が1人1人実に明確なので、見ていてまったく混乱がない。

「あれ?これ誰だっけ?」といったような疑問は一切浮かんでこないのだ。

ストーリーが進むにつれ登場人物もまた増えてくるが、人物たちはきちんと記憶に刻まれたままだ。

役者も完全にその役になりきっているので、見ているだけで、その人物の性格が手に取るようにわかる。

登場人物の多い複雑な人間関係を表現したドラマであるが、とてもわかりやすく、そして面白い。

本国内では常に視聴者ランキングBEST5に入るというのもうなづける。

 

主役格となるのは、自殺したメアリー・アリスの家の近所に住む彼女の友人たちである。

タイトル通り”デスパレード(がけっぷち)な妻”たちである。

弁護士の夫と離婚し、15歳になる娘と二人で暮らす絵本作家のスーザン、

おそろしく手のかかる子どもを4人も抱えた元キャリアウーマン(現在は専業主婦)のリネット、

美貌でスタイル抜群の元スーパーモデルのガブリエル、

何事もパーフェクトでないと気がすまない家事完璧のカリスマ主婦ブリー、

の4人の女たちである。

彼女たちはメアリー・アリスとはお互いの家を行き来するほど仲が良かったのにもかかわらず、彼女の死の原因はまったくわからなかった。

が、ある日のこと、スーザンがメアリーの自殺の原因と思われる彼女宛の手紙を偶然手に入れたのだ。

なんとその手紙には「お前の秘密を知っている・・・」と書いてあったのだ。

どうやらメアリー・アリスは秘密を抱えていて、そして誰かから脅迫されていたらしい。

これはただごとではない、と思ったスーザンはリネットやブリー、ガブリエルらとと結託し、彼女の死の真相究明に乗り出す。

そしてここから本格的に彼女たちの、ひいてはウィステリア通りの住民たちの物語が展開していくのである・・・。

 

ストーリーは主婦メアリーアリスの自殺という悲劇から始まった。

そこからそれを軸にしてここの住民の生活が明らかになっていく。

語り手となるのは、なんと自殺したメアリー・アリスだ。

死者がここの住民たちの生活を、人生を語っていくのである。

(これはシーズン3まで変わらない。途中違う人間が語る回もあるが)

前述したが、このドラマは、ウィステリア通りの住人たちを語ったストーリーである。

舞台背景がアメリカの郊外とはいえ、そこには日本となんらかわることのない生活が描かれている。

子供の進学、夫の出世、嫁姑戦争、職場での戦いなどなど。

彼らの生活は非常に生々しく描写されているため、我々はここに等身大の自分を見ることができる。

このドラマを見ながら、「ああいるいる、こういう人近所に」とか「あったよ、こういうこと」などと思ったことは一度や二度ではないハズだ。

だから共感を持って楽しんでみることができる。

自分と同じ日常の出来事がすべてがこの中で描かれているのだ。そして人生そのものも・・・。

 

タイトルの”デスパレード”とは”崖っぷち”、つまりは「せっぱつまった」ということ。

ウィステリア通りの住人たちは、一見すると何の問題もない普通の家庭に住む人々だ。

が、実はみな自殺してしまったメアリー・アリスと同じどす黒いものを抱え込んでいるのである。

主役格の4人もそう・・・。

彼女たちは外から見ると幸福な家庭で日々を平穏に暮らしているように見える。

が、実は一転してほのぐらい穴底にころがりこんでしまう地獄への道の際を歩いているのだ。

おっちょこちょいでバツイチだが美貌のスーザンは、性格も身体もダイナミックなイーディーとイケ面の男マイクを取り合いし、

家庭を顧みない夫を持つガブリエルはさみしさのあまり現役高校生と浮気をし、

リネットは少ない夫の稼ぎで家計を切り盛りしながら4人の子供と毎日格闘し、

そしてカリスマ主婦とされているブリーはなんと夫から離婚を申しこまれてしまっている・・・。

それぞれがそれぞれの秘密をお互い隠し持っている。

メアリー・アリスもそうだった。彼女はそれを隠し切れなかった。

だから線を超えて地獄へ堕ちてしまったのである。

 

物語冒頭において自殺したメアリーアリスの死の原因はシーズン1の最終話で判明する。

しかし謎こそとけたものの、人々の物語は終わらない。またその因果関係には縛られたままなのである。

彼らのこれからの生活はいったいどうなるのか・・・!?

(2009年現在DVDリリースはシーズン3まで刊行。シリーズは続行予定)

 

 

実を言うと、シーズンリリース当初は見るのを敬遠していたドラマである。

ファミリードラマは基本的に好みではないのである。

が、何気なくシーズン1の1巻を借りて見てみたらハマっしまい、あっというまに刊行されていたDVDを全部見切ってしまっていたのである。

それどころか次のシーズンを楽しみに待つにまでなってしまった。

それほど面白いのである。わしと同じでファミリードラマが好みでない方も騙されたと思ってみてくりゃれ。

ハマること間違いなしである。物語当初からぶっとばしてくれるよっ!

 

また元スーパーモデル役のエヴァ・ロンゴリアはかなり露出サービスしてくれるので、男性諸君にもこのドラマは楽しめるハズ。

女性の目から見ても彼女のボディは、ホント美しいと思う。

彼女が毎回着ているお洋服も素敵なので、ファッションも楽しめる。

そしてドラマ内では笑えるシーンをところどころに配してある。

シャオ・メイの「やさしくして」とか、スーザンの「あばずれ」とか、ね。

これにはおなか抱えて笑い転げること間違いなし!

え、なんのことかわからない?

それは本作をぜひごらんになってくりゃれ♪

 

 

 

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