海外ドラマが流行している昨今、それにピントをあわせたかのように作られて放映されたドラマ。 それはつまりどーいうことなのかというと・・・。 圧倒的人気を誇る海外ドラマ「24」と「Xファイル」を足して2で割ったような内容なのである。 「24」をかなり意識しているといえる。タイトルも「4400」だし。 ドラマ「24」の人気は絶大である。 そのため、新ドラマを放映するときはいつも視聴率アップを目論んだキャッチフレーズがつけられるようになってしまった。 「24を越えた!」とか「24より面白い!」などなど。 ま、ほとんどがそんなことはないのだけれど。 実際は、こういうコピーがないドラマの方がよっぽど面白くある。 本作品「4400」はどうだったかというと・・・。 残念なことに「そんなことはない」になってしまったドラマだ。
ストーリーは古今東西関係なく失踪した4400人の人間が、2004年の現在に光の球に乗って失踪したときの状態と同じで戻ってきたところから始まる。 その4400人には失踪している間の記憶がまったくない。 だから誰が何のために彼らを連れ去り、そして戻したのかもわからない。 すべてが謎なのである。 そんなわけで米国中、いや世界中が大騒ぎになった。(当たり前か) 4400人は米国政府により、一時的に隔離され、取調べを受ける。 しかし彼らには失踪している間の記憶がまったくないことと、失踪直後から年をとっていないことを除けば、いたって普通の状態なのである。 (ホントは違うケド) だから病原菌のごとくいつまでも彼らを隔離しておくわけにはいかない。 一通りの検査をされた後、彼らは解放された。
失踪した4400人はこの作品のタイトルにもなっている「4400(フォーティフォーハンドレッド)」と呼ばれるようになった。 4400は政府から保護を受けながら、現代社会へ無事復帰・・・と思いきや、実は彼らにはとんでもない秘密が隠されていたのである。 なんと彼らは特殊能力を備えて現代へ戻ってきたのだ。それも4400人それぞれが異なった能力を持っていたのである。 どんな病も治すことのできる力、人の心の声を聞くことができる力、未来を予知する力などなど。 解放された4400は次第にその力をあらわし始めるようになる。 自分に能力があることが無自覚だった彼らは、当然のごとく混乱する。そして周囲でもイザコザが起こるようになった。 そんな中、4400の1人が4400を救おうと「4400センター」なるものを設立した。 その設立者の名はジョーダン。失踪前から富と権力を持っていた人物である。また彼は指導者としてのカリスマ性も備えていた。 が、4400を救う、というのは名目上らしく、本音は4400の力を利用して世界を自分のものにしようとしているらしい・・。 しかもそれは4400を失踪させた原因にも関連しているようなのだ。
物語の序章(シーズン1)において既に、4400人の失踪原因は明らかになる。 4400人を連れ去ったのは今より先に生きる人たち、つまり未来人だったのだ。 未来において地球はどーやら滅亡に向かっているもよう。 それがいつくらいの未来なのかはちょっと定かではないけれど、時間を自在に操れるであるから相当先であろうことは予想される。 未来人は地球を滅びから救うため、過去から4400人を選出し、それぞれ異なった能力を授けて現代に戻したのである。 なぜ現代か?というと、それは未来人によれば、ここが滅亡へ向かう分岐点だったからだそう。 それにしても中途半端な処置の仕方である。 勝手に連れ去っておいて、勝手に彼らを処置して、記憶のないまま彼らを現代に戻したのだ。 4400も2004年を生きる人々もみな???だ。 何故――?と思いきや、それは抑制が入ったからである。 いつの時代にも世界を我が物にしようという輩はいるもの。しっかり未来にもいたのだ。そんな不届きな軍団が。 彼らが妨害したために、帰還させた4400人の扱いや目的が不明になってしまっていたのだ。 未来人たちは4400人のリーダーとなるべく人材をしっかりと現代世界で選出しておき、また彼に指導法を授けるつもりでいたらしい。 が、途中で、悪の輩に邪魔されてしまったのである。 そのリーダーとなるのが本ストーリーの主人公となるトム・ボールドウィンである。少し素行に問題があるが、有能な捜査官だ。 そしてその彼の相棒となるのが女捜査官・ダイアナ・スクーリス。優秀な科学者でもある。 この辺「Xファイル」を意識しているように思える。 この2人が4400を取り巻く事件を解決しながら、その裏にある真相を解明しこうとするのである。 うーん、やっぱり「Xファイル」だ。
ストーリーはシーズン4で終了。話数も全45話と「Xファイル」や「24」に比較するとずいぶん短い。 が、終了の仕方が中途半端。「え、これで終わりなの!?」という感じの続きを連想させるラストなのだ。 「???」と、思っていたら、やはり途中で打ち切られたらしい。話自体には続きがあって、それは小説にて刊行されるということ。 魅力的な題材で、内容も面白くなくないわけではないのだが、この手合いのストーリーは視聴者には食傷気味かもしれない。 わざわざこーいった話を作らなくとも、「24」や「Xファイル」で十二分楽しめるからだ。 海外ドラマの流行にのっとって、人気作品を意識しすぎてちょっと外しちゃったかな?という感じである。 金かかっても人気役者導入すれば良かったかも。トム役をキアヌにするとか、ダイアナ役をサンドラにするとかさ。 「Xファイル」は全部見た!「24」は次のシーズン待ち!と、いうときに見るとちょうど良いドラマかも・・・。
蛇足だが本作品では「24」で活躍した役者も登場している。 カーティス役のロジャー・クロスとシェリル役のペニー・ジョンソン・ジェラルドが、ね。
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