海の闇、月の影
著者:篠原千絵 |
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サスペンス漫画の巨匠・篠原千絵氏の作品です。 本作は大人気を博した「闇のパープルアイ」の次に長期連載され、コミックスは全部で18巻刊行されました。 実を言うと、連載当初はあまりこの作品に期待していませんでした。 それというのも、前作「闇のパープルアイ」がすごく面白くて、はまってしまっていたからです。 また、ヒット作の次作はぱっとしないもの・・・という先入観もありました。 だからこの話は10話くらいで終了してしまうだろう・・・なんてタカをくくっていたのです。 ところが。ところが、です。 お話は10話で終わるどころか、パープルアイよりも長く続いたのです。 人気度ももしかしたら上をいったのではないでしょうか? それくらい本作は非常に面白かったのです。 それにストーリーの設定がスゴかった!かなり奇抜な発想なのです。 なにせ人間が月の満ち欠けで宙に浮いたり、物体を通り抜けたりすることができるというものなのですから・・・! 主人公となるのは高校生の双子の姉妹・流風ちゃんと流水ちゃん。 彼女たちは、偶然にも古代の細菌に感染してしまい、そんな能力を身につけてしまった少女たちです。 物体を通り抜けられる力があるということは、人間の体を貫くこともできるということ。 つまり素手で人を殺すことも可能になったわけです。 双子の流水ちゃんの方は、能力を身につけただけでなく、なんと性格も豹変してしまいます。 とても優しくていい娘だったのに、人の命もなんとも思わないほど、凶暴化してしまったのです。 更に恐ろしいことに流水ちゃんの血液を体内に入れた人間は(つまり感染)、彼女の意のままに動く奴隷となってしまうのです。 流水ちゃんは能力を使ってビシビシ人を殺しながら、バシバシ他人を自分の奴隷にしていきます。 しかし、何のために――? それは、全ては憧れの当麻克之さんを手に入れるため――。 でも克之さんが好きになったのは、流水ちゃんではなく流風ちゃんだったのです。 当然、流水ちゃんは流風ちゃんを憎みます。彼女が邪魔で邪魔でしょうがない。 それならコイツを殺してしまえ――!と思い、能力を使って彼女を殺そうとします。 しかし、流風ちゃんは同じ能力を備えているので事は上手く進みません。 そんな追いかけっこをしているうちに、この双子の能力に目をつけたジーンと名乗る外国人が二人の前に現れました。 怪しげな外人さんです。彼の目的は何なのでしょうか――? そして泥沼化してしまった双子ちゃんたちはこの先一体どうなるのでしょうか――? のっけからスリリングでスピーディーな展開を見せてくれます。 また回を追うごとにスケールも大きくなっていきます。 途中いろんな人物が登場してはくるというものの、物語の主旨は一貫して変わりません。 そう、それは一人の男性を巡って双子が大バトルを繰り広げるというものです。 これは物語の最終まで続きます。 果たして勝つのは流水ちゃんでしょうか、それとも流風ちゃんでしょうか――!? それは、本書をご覧ください・・・。
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