サード・ガール
著者:西村しのぶ |
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神戸を舞台にしたちょっと一風変わったラブ・ストーリー。 今から20年以上も前に連載された作品なのにもかかわらず、今見てもとてもお洒落に感じます。 ほんとのお洒落って永久に腐らないものなのですね。 主人公となるのは神戸の名門K女学院に通う夜梨ちゃんです。 彼女は「オバサン」になる前にたくさん恋愛をしようと思っているちょっとおしゃまな女の子。 そしてナンパされにお出かけしたところ、大学生の男の子のグループが声をかけてきました。 その中で彼女が選んだのは、彼女持ちの「涼さん」でした・・・。 夜梨ちゃん曰く、「彼女も作れない男には用はない」のだそう・・・。 そこから物語は展開していきます。 夜梨ちゃんと涼さん、そして涼さんの彼女の美也さんの三人の不思議な恋愛関係(?)が始まったのです。 涼さんが夜梨ちゃんをナンパしたとき、彼女はまだなんと14歳(中学二年生)でした! 年齢がわからずにナンパした涼さんはもちろん大慌て! でも、夜梨ちゃんは可愛いので、そのままおつきあいをしていくことになるのです。 物語はそんな三人を軸に、主人公を成長させる形で進んでいきます。 と、当然さまざまな人物も登場してきます。 そして夜梨ちゃんにも素敵な彼氏ができるのです! 彼の名は大沢くん。名門男子校に通うイケメンくんです。 夜梨ちゃんはその大沢くんや、そして親友のたのこやその彼氏と日々を楽しく過ごしていきます。 もちろん涼さんとのおつきあいも続けながら・・・。 でも、それは二人が高校を卒業するまででした。 大沢くんは神戸を離れ、京都の大学に行ってしまったのです。 遠恋は続かない・・・というセオリー通り、二人に破局が訪れます。 大沢くんはなんと大学で出会った年上の美女と恋に落ちてしまったのです・・・。 さあ、これから夜梨ちゃんの未来は一体どうなるのでしょうか・・・? 本作品は掲載していた月刊雑誌がたびたび休刊になるという諸事情もあり、連載終了まで随分時間がかかりました。 ですが、それにも関わらず連載は続き、完全版のコミックスまで刊行されたのです。 それだけこの作品が、多くの読者を惹きつける魅力的な要素を持っているということなのでしょう。 物語においては、当初中学生だった主人公は短大を卒業するまで成長します。 それは年齢的なものだけでなく、人間としてもです。 大沢君を美人の京女にとられちゃったとき、「もっとやさしくしてあげればよかった。ごめんね大沢君」と言った彼女はほんとに立派だと思いました。 失恋は女の成長を大きく飛躍させるステップさ!頑張れ、夜梨ちゃん!
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