天よりも星よりも

著者:赤石路代

 

 

すんっっっごくロマンチックなお話です。

まあタイトルが「天よりも星よりも」ですしい。

この世のすべての女性が憧憬を持つストーリーなんじゃないでしょうか。

だから「絶対こんなことありえないよ、こんなこと」と思いながらハマッてしまいます。

この作品は今から25年前に「ちゃお」という雑誌で連載されました。(今「ちゃお」ってあるんですか???)

主人公は藤森美緒ちゃんという高校一年生の愛らしい女の子。

物語はその美緒ちゃんのお家が火事になってしまい、彼女が天涯孤独になってしまったところから始まります。

一人ぼっちになってしまった美緒ちゃんを迎えに来たのは彼女のいとこだという四条忠臣くん。

美緒ちゃんは彼のお家に引き取られ、彼と同じ学校に通うことになりました。

四条のお家はとても大きくてお金持ち。その上忠臣くんはハンサムさんで学校で生徒会長をしているほどの優等生です。

そんな忠臣くんがそばにいるので、両親を亡くした美緒ちゃんも安心して普通の生活をはじめることができました。

と、思いきや、いきなり彼女は命を狙われます。ナイフを持った男たちが学校帰りの彼女に襲い掛かってきたのです。

訳もわからず逃げる美緒ちゃん。と、そこに少女漫画らしく彼女を助けるヒーローが登場します。

彼の名は澪くん。ハングライダーに乗り、長い髪を風になびかせながら、彼女を魔の手から連れ去ります。

かあっこいいですねえ〜。美緒ちゃんはそのとき感じました。「あ、このひと私知ってる・・・」と・・・。

はい、そうです。輪廻転生ストーリーです。

美緒ちゃんと澪くんは生まれ変わる前は恋人同士だったのです。

物語冒頭では二人はそのことに気づいていません。でも心は互いを呼び合います。

美緒ちゃんに通常ならざる懸念を抱いている忠臣はそれが許せません。

実は彼はかなり気性の激しい男性でした。当初美緒に見せた優しさはそれを隠す仮面だったのです。

そしてなんと彼はあの織田信長の生まれ変わりでもありました。

前世において炎の中で死んだ信長は、今生において忠臣という名で炎とともに蘇ってきたのです。

それはつまり火を自在に操る力です。

その彼が何故に美緒ちゃんに固執しているのかというと、彼女も実は彼と同じ能力を持っているからなのです。

ただし彼女の場合は「火」ではなく「水」を操る力です。

先の世において、水の中で死んだ彼女はそれを自在にできる力を持って生まれ変わってきたのです。

そして澪くんもまた能力の持ち主でした。彼は風を操る力を持っています。

しかし二人は自分の能力を自覚しながらも、忠臣くんとは違い、「自分が何者なのか?」がわかりません。

美緒ちゃんと澪くんは、過去の自分を探す調査を始めました。

二人の正体は物語の佳境の終盤でようやっとわかります。

まあこの物語が「二人が誰なのか」を読者に推理させる主旨で描かれているので、最後にわかるのは当たり前なんですけど。

美緒ちゃんと澪くんの前世は○○○と○○でした。

そう、あの日本国民なら誰でも知っているというあの悲劇の恋人たちです。

いかな第六天魔王といえど、相手があの二人では引き裂くことはできません。

なんってったって○○○と○○ですもの。

え?それは誰ですかって!?それは物語を読んでくださいな♪

物語当初、そして中盤などそこかしこにヒントが隠されています。

序盤における澪くんの女装姿もグーですよ♪

 

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