闇のパープルアイ
著者:篠原千絵 |
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いやあ〜ハマりましたよ、この漫画。少女時代に夢中になって読みました。 なんてったって、人間(しかも普通の少女)が獣に変わるっていうお話ですもの。 読者のオタク心を見事にそそった題材ですよね!少女の変身願望のツボもとらえてるし・・・。 今から(2009年時点)25年前に「週刊少女コミック」で連載されて大人気を博し、第32回小学館漫画賞を受賞した作品です。 その物語の主人公となるのは尾崎倫子さん(16歳)。 二年前にお母さんを亡くしていることを除けば、ごくごく普通の少女です。ほんとにほんとに普通の少女です。 その彼女には生まれたときから左腕に変わった形のあざがありました。 ストーリーはそのあざが濃くなり出したときからはじまります・・・。 本人はまったくもって無自覚ですが、それは彼女の能力を有するしるしでありました。 それに目ざとく目をつけたのが生物教師の曽根崎薫子さん(27歳)。授業中に彼女のあざを見つけます。 曽根原さんは、もしかしたら尾崎倫子は自分の研究するテーマの能力の持ち主かもしれないと思い、その有無を確認するために 不良たちをけしかけ、倫子を襲わせました。 まったくなんて先生なのでしょうか。でも頭はものすごくいいんです。倫理観はないけれど、ポリシーはあるっていう人の見本ですね。 (だからこーいうおそろしいことも平気でする。これは物語の最終まで続きます。さすがはさそり座の女といったところでしょうか) 不良に暴行された倫子は曽根原さんの目論見どおり、その潜在能力を発揮し、不良たちを惨殺します。 そして倫子こそ長年自分が追い求めてきた研究のテーマそのものあると確信した曽根原さんは、倫子をモルモットにしようと追い掛け回します。 倫子の能力は他人には言えないものなので、警察にはもちろん言うことができません。 その彼女の能力とは一体何なのでしょうか。生物学者をそこまで熱中させる潜在能力とは果たして――? それは「人間が獣に変わる――」というものでした。 父親から研究を受け継いだ曽根原さんは、すでにそれを理論的に完成させていました。 あとは実証となるものがあればいいだけです。その実証材料――それが倫子なのです。 倫子が生まれたときから持っているあざは人間が獣に変わるしるしであったのです。 でもその獣って一体何なのでしょうか?それはタイトル通り闇の中で瞳を紫色に光らせています。 また3人の不良たちを八つ裂きにすることのできる生き物です。それはきっとおそろしいものに違いありません。 曽根原さんがその姿を捉えようとしてもすばやく逃げてしまいます。それほど俊敏で、獰猛な獣なわけです。 果たして倫子はいったい何に変身するのでしょうか――? その正体はわりと早い時期で判明しますが、それがわかるまでもドキドキものです。 悪役の曽根原さんに向かって、「先生!早く倫子が何に変わるか見つけてよ!」と思わず応援(?)してしまいたくなるくらいです。 倫子は、実の妹の舞子ちゃんが目の前で惨殺されたとき(いや〜ひどいですね〜)に、はじめてその変身した姿をあらわすます。 倫子はなんと○○○だったのです!そう、あのしなやかで美しい獣、○○○です! ○○○であれば人間なんぞ簡単に八つ裂きにできるというもの。なんてったって○○○ですもの。 えっ?それは何ですかって?それは本書を見ていただくことにして・・・。 実にクールでビューティなスリル満点のお話です。 紫の瞳の獣なんてかっこいいじゃないですか! それも普通の女の子が獰猛な獣に変わるというんですから、これが面白くないわけがない! 当時週刊少女コミックを毎号毎号ハラハラドキドキしながら読んだものです・・・。 また曽根原さんのしつこいことといったら・・・!ある意味感服します。 まあ、これくらいの粘着質でなければ研究者になんてなれないのでしょうけど。 連載当初は6回で終了予定だったそうですが、回が進むにつれストーリーはどんどん展開していき、結局コミックスでは全12巻まで 刊行されるという長いお話となりました。 毎号毎号「えー?一体、どうなるの、これ」といった様子で「次号に続く」になり、「一体このお話はどうなるのか?」と不安に思ったこと もありましたが、物語はちゃんと形をとって(?)終了します。 まあ、麻衣ちゃんが、何に変身するのかわからなかったのを物足りなく感じる読者も多かったとは思いますけど、ね。 続編とかあったら楽しいかも・・・。やっぱり曽根原は生きていて・・・、とか(笑)。
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