OZ
著者:樹なつみ |
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壮大なスケールのストーリーです。実写版で映画化してほしいくらいです。 時は2021年の近未来のお話です(注:このストーリーが描かれたのは約20年前です)。 一発の核ミサイルの誤爆により第3次世界大戦勃発し、地球は滅茶苦茶になりました。 わずかに残った人類たちはそれぞれの地域で国をつくり、そして独立宣言をします。 たとえ地球がどんな状態になっていようと、世界を我が物にしようとする人間ってのはいるものです。 混沌とした世界の中で、世界の覇権を手にしようとその独立した国たちが争いを始めました。 まあバイオハザードのゾンビがいない世界を想像していただければよろしいんじゃないかと・・・。 物語はそこから始まります・・・。 ヒロインとなるのは15歳の少女フィリシア・エプスタインちゃんです。 この少女はとーってもとーっても優れた頭脳を持っているお金持ちの娘さんです。 博士号もいくつか持っていていて、天才と呼ばれているのですが、人間的にはまだまだ未熟。 きちんとした自我も芽生えていません。IQはめっちゃ高いのですが、精神年齢がとてもとても低いってやつです。 言っていいことも悪いこともわからないので、物語冒頭で彼女にムカついた読者も多かったのではないでしょうか? ヒーローとなるのは傭兵の武藤軍曹さん(22歳)。彼は契約軍人さんで、彼女のガードをいいつかわれました。 この武藤さんは樹氏のキャラらしく、とーってもかーっこよくとーっても強くとーっても頭が切れます。 22歳なのですが、まだ10代に見えてしまうというのも魅力の1つとなっています。 童顔な外見に対し、中身はかなり老獪。でも実は繊細な人だったりするんです・・・。 ストーリーはフィリシアの元へ一体のサイバノイドが届けられたところから展開していきます。 そのサイバノイドを届けたのはなんと5年前に失踪した彼女の兄リオンでした。 サイバノイドは彼女に語ります。自分は「OZ」からやってきた、そしてそこでリオンはフィリシアを待ってると・・・。 そうしてフィリシアは武藤を伴い、何処にあるかわからない「OZ」を求める旅に出ていくことになったのです・・・。 今こんなお話を描ける人っていないんじゃないでしょうか? 著者がバイオレンス好きなだけあって迫力満点の漫画に仕上がっています。 軍隊や戦場が描かれているシーンなど、とても女性が描いたとは思えないほどの臨場感があります。 物語の背景はもちろんのこと、登場人物の人間くささもストーリーの醍醐味となっています。 無機的な少女だったフィリシアちゃんは、旅を続けていくうちに武藤の熱い魂に触れて見事に成長していきます。 一人の人間として、そして一人の女性として――。 「OZ」は最後まで謎に包まれた存在として物語上に君臨し続けます。 果たしてフィリシアと武藤は無事その「OZ」にたどり着くことができるのでしょうか・・・?
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