彼氏彼女の事情

著者:津田雅美

 

 

タイトル通り「彼氏」と「彼女」のお話です。

「彼氏」の名は有馬総一郎くん。飛びぬけた頭脳を持つ美しい顔立ちをした男の子です。

対する「彼女」の名は宮沢雪野さん。やはり秀才で、美人さんな女の子です。

物語はこの「彼氏・彼女」が高校に入学して出会ったところから始まります。

主人公のこの二人は、優等生が揃った県でトップの高校でも極めて優秀な生徒でした。

「彼氏」の有馬くんは、学年一番の成績で入学したツワモノです。

それだけでなく前述した通り、イケメンな(というよりは綺麗なお顔をなさっている)上、運動神経も抜群のお金持ちのお家の息子

さんです。加えて性格も温厚とくれば周囲がほっとく訳がない・・・。自然、彼は学校で注目を浴びる存在になります。

それが「彼女」の雪野さんには気に食わない。

「彼女」だって成績が優秀な上、美人で、何でも上手くこなす人なのに、「彼氏」のせいですっかり影を潜めてしまったんですから。

「彼女」の雪野さんは、「彼氏」の有馬くんに勝手に(?)ライバル心を燃やし、何が何でも皆の賞賛の目を自分に向けさせようと

死に物狂いで勉強します。

その甲斐あってか、考査の点は有馬くんより上に立ちました。

得意になった雪野さん。しかし、その彼女に対する有馬くんの反応は意外なものだったんです・・・。

物語冒頭では、二人はまだ「彼氏」「彼女」になっていません。

また二人は実は”本当の自分”を隠しあってもいたのです。

ある事件(?)がきっかけで、雪野さんが”素”の自分を有馬くんに知られてしまったことから二人の距離は近づきます。

そしてめでたく「彼氏・彼女」になるのです。

本作は当初読みきり作品として月刊誌「LaLa」で掲載されました。

その後、長期連載化されて大人気を博し、コミックスは全部で21巻まで刊行されました。

物語前半部分は「彼女」の雪野さんが、そして後半部分では「彼氏」の有馬くんが主体となっています。

二人の性格の違いからか、前半は明るくポップで、後半は重々しい感じで話が展開しています。

そして主役の二人を支える脇役たちもひじょーに濃く、実にバラエティに富んだ学園ストーリーに仕上がっています。

その登場人物たちは学校を舞台にさまざまな人間模様を繰り広げ、それぞれの価値観を見出して成長していきます。

そんな彼らが大人になっていくのを見るのが実に楽しい作品です・・・。

 

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