アーシアン
著者:高河ゆん |
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「アーシアン」とは英語の「earth」から派生した地球人という意味の言葉です。 そのままタイトルになっているこの作品は、この「アーシアン(地球人)」を見守る天使が主役となっています。 絶えず争いを起こし、文明という名目で地球を汚染し続ける「アーシアン」たち――。 このままでは地球は滅んでしまう・・・。彼らをこのまま生かしておいてよいのか? と、地球を見守る天使さんたちの間で会議がなされました。 結果、それを見極めるために、彼らは「アーシアン」を調査することになります。 そして「プラス面」派と「マイナス面」派に分かれた天使たちが、二人一組となり地球に舞い降りました。 果たして地球人の運命やいかに!? あれれ・・・?どこかで聞いた話ですね?そうです、手塚治虫氏の作品「W3」です。 高河氏は「W3」をモデルにして本作を描いたのでしょう。 上記作品に似た点が多々あります。が、内容はまったく違います(当たり前か)。 本作品は今から20年以上前の1987年に月刊「ウィングス」で連載が開始されました。 その後、氏は同誌で別の連載「源氏」を始めたため、本作品の連載は「サウス」へ移行されました。 が・・・・。 連載をいくつもかけもちしていた氏は途中で力尽きてしまったのか、本作を途中で投げ出して・・・あわわっ!・・・休止して しまいます。 そしてサウス誌上ではとうとう連載を復帰させませんでした(「源氏」に至っては現在も休止したままです)。 そのため新書館から発行されたコミックスは中途のままで、続刊は発行されていません。 根強いファンのおかげで、完結版が別の出版社から発行されて、なんとか形をとった終幕となっています。 途中で間があいてしまったのにも関わらず完結できたのは、最後まで読みたいと願った読者が大勢いたからでしょう。 と、こんな経緯もあり、それほど長い物語でもないのに本作は完結するまでに、相当の時間がかかっています。 休止する少し前では、お話はバンバン進んでいたのですけどね。 連載当初から途中までは迫力の勢いの展開で、画もとても綺麗でした。 が・・・・。 気分にムラのある作家なのか、絵が恐ろしく上手いときとそうでないときの差がかなり激しくあります。 それは「これは本当に同じ作家が描いたのか!?」と、思われるようなくらいの極端さです。 なんとか完結させた書き下ろしの最終話付近にいたっては、・・・です。 とはいえ、感動的なお話であることは確かです。 特に8話の「ファントム・オブ・ジ・オペラ」と9話の「永遠のロマンス 2」は実に胸打つストーリーに仕上がってます。
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