中国の壺

著者:川原泉

 

 

こんな壺いいな♪あったらいいな♪

あんな夢やこんな夢を叶えてくれ・・・そうにもないけど・・・。

壺の中に人が住んでいるお話です。アラビアンナイトのアラジンのランプの魔人のようですね。

その壺の住人の名は趙飛竜。彼は中国が唐の時代だったときに皇帝直属の軍人だったお人です。

その彼が何故か壺を出入りしながら1000年の時を生きてます。

そして彼はそのながーい時、自分の住む壺の持ち主である安曇家の人々を見守ってきました。

現在のその壺の持ち主は志姫ちゃんという高校三年生の女の子。

川原氏の描くキャラらしいマイペースなボノボノ系少女です。

志姫ちゃんは8歳のときに、亡くなる寸前のお父さんからこの壺を譲り受けました。

そしてそのまま彼女は壺の住人である趙飛竜に見守られて育ちます。

でも趙飛竜はただ長く生きているというだけで、特別な力を持った人間というわけではありません。

また彼の姿は志姫ちゃん以外の人間には見えないのです。

そう、ホントにホントにただただ見守るだけの人なのです。

(だから志姫ちゃんは彼のことを『単なる役立たず』と言ったりしていますが・・・)

でも、自分のことを何の掛け値もなしに見守ってくれる人がいるということはとても幸福なことなのではないでしょうか?

辛いとき苦しいとき悲しいとき、そして嬉しかったとき、誰かがいてくれたら・・・!

いつもいつも自分を見てくれている人がいたら・・・!

安曇家の人々はそうして飛竜に見守られてきたのです。

でも、何の為に?はるか昔の中国人であった彼が何故!?

その答えが知りたければ本作をぜひ拝読してくださいな♪

涙こぼれ落ちるエピソードが待ち受けていますよ。

「これは運命なのだと。もはや運命なのだと――」

 

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中国の壷 全1巻(白泉社文庫)

 

 

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