キャット・ストリート

著者:神尾葉子

 

 

 

大人気コミック「花より男子」の後に始まった学園ラヴ・ストーリーです。

「花より男子」があまりにも面白かったため、実をいうと神尾葉子氏の次作は期待していませんでした(←罰当たりな!)

それは「花より男子」以上の作品なんてありえないし、認めない!と思い込んでしまっていたからです・・・。

ところがです。ところが、なんです。本作品「キャット・ストリート」はすんんんごく面白かったのです!

しかもストーリー的にはこちらの方が好みでもありました。

そして、これは「ハマる!ヤバい!」と思いながら読み進めていくうちに、結局そーなってしまったのです・・・。

主人公の名は青山恵都ちゃん(16歳)。

子供のころに受けた心の傷が原因で引きこもりになってしまっていた少女です。

そのため9歳のころから学校に行っていません(というか、行くことができない)。

本当なら高校生になっている年なのに・・・。

彼女は友人もいなく、毎日街をあてどなくさまよう日々を過ごしていました。

しかし人間、いつまでも不幸ではいられません。

そんな恵都ちゃんに、ある日妙なオジサマが声をかけてきました。

「エル・リストン」に来ないかと・・・。

「いじめ」や「不登校」が社会問題になっている現在、それにピントを当てたかのような作品です。

作中登場する人物たちに共感を持った読者は多かったのではないでしょうか。

現代においては、「学校」は行って当たり前・・・という思想が定着してしまっています。

でも、そこに自分の場所が見出せなかったら・・・?またなかったら・・・?

「エル・リストン」には、そんな「自分の場所」が見つからなかった人たちが集まっています。

まるで群れから追われてしまった猫たちのように・・・。

恵都ちゃんは、そんな「エル・リストン」でいろんな人と出会いながら、少しずつ自分を取り戻していくのです。

そして彼女は、「自分が他人のためにできること」を見つけようとするところまで成長します。

挫折した人間に用はない!なんて世の中、正しくない!

人間は失敗を繰り返しながらも人と出会うことによって成長していくものなのだ!

と、いうことを教えてくれる感動的な作品です。ぜひご覧あれ!

まあ、個人的にはケイトは怜君とくっついてほしかったのですけど・・・・。

(最初に声かけたのは怜君だし・・・。わしは出会いでもなんでも「世の中最初にやったもの勝ち」という思考の持ち主なのです・・・)

 

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