ぼくの地球を守って
著者:日渡早紀 |
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1980年後半から世紀末にかけて「花とゆめ」で連載されたSFラヴストーリーです。 コミックスでは全部で21巻まで刊行されましたが、連載当初は12回で終了予定だったとか! 少女たちの間では「ぼくたま」の愛称で呼ばれて親しまれた大人気作品です。 その主人公となるのは控えめな性格の坂口亜梨子ちゃん(16歳)。 動植物と心を通じあわせることができるという不思議な能力を持った女の子です。 物語は彼女がお父さんの仕事の都合で、北海道から東京にやってきたところから始まります。 お父さんの本社転勤ということで、本来なら喜ばしいことなのだけれど、亜梨子ちゃんはとても憂鬱でした。 それは大人しい性格が災いして、いまだ東京の学校に馴染めないでいたからです。 また引っ越してきたマンションのお隣に住む悪ガキには、しょっちゅうイタズラされるし・・・。 このガキの名は小林輪くん。7歳のおしゃまな少年です。 まあ少年が少女に意地悪するのは、「好きだ」という意思表示でもあることは昔も今も変わらないセオリーです。 だから輪くんが亜梨子ちゃんにちょっかい出すのは、彼は彼女のことを好きなわけでして・・・。 と、そんなある日のこと。事件が起きます。 なんと亜梨子ちゃんは誤って輪くんを15階のベランダから突き落としてしまったのです・・・! 大怪我をして意識不明となってしまった輪くん。ですが、彼は奇跡的に無事に目を覚まします。 けれど、何か様子が変です・・・。何だか、今までの彼とは違うのです・・・。 ストーリーはここから本格的に突入します。(本作品は「輪廻転生」に基づいたお話であります) この事故がきっかけとなって、輪くんは自分の前世を思い出したのです。 彼は先の世では異星人でした。しかもただの異星人ではありません。 超能力を有した月から地球を見守っていた異星人なのです。 その月にいた仲間は全部で7人。その中には亜梨子ちゃんもいました。 亜梨子ちゃんと輪くんを含めたその七人は、なんと全員地球に転生してきたのです・・・! そして今生において彼らは邂逅を果たします。 でも亜梨子ちゃんは皆と違ってはっきりとした記憶を持っていません。何故か・・・。 また、先の世は決して良いことばかりではありませんでした。 彼らの背景には「星間戦争」というものがあったんです。 そして若い男女が揃った狭い基地の中。何があったっておかしくはありません。 泥沼の愛憎劇も繰り広げられていたんです。 だから・・・思い出したくない記憶だってあるんです・・・。 次第に過去世の記憶は現世に生きる彼らの重荷となっていきます。 七人の仲間たちの間柄もギクシャクし始めました。 また一向に記憶が戻らない亜梨子ちゃんにいたっては、「自分は仲間じゃない」と言い出す始末。 そんな中、輪くんは超能力を使って単独で不可解な行動を取りまくります。 暴走族のヘッドに「東京タワーをくれ」といったり、ヘッドのふりをして月仲間の一人を舎弟に襲わせたり・・・と。 物語中途で彼は自身の目的を「月基地を破壊すること」と明かしますが、それも真相かどうか怪しくあります。 そうして輪くんは物語の最後まで謎の言動を取り続けるのです。 彼の真意は一体何なのでしょうか!?それは本書をご覧ください・・・。 主人公ともども最初から最後まで「輪くん」にふりまわされっぱなしになること間違いなし!です。 まあ、それが楽しくもあるんですけど。
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