ART WORLD 肖像画名選

 

 

 

 

世界の美女たち 

歴史に名を残した女性の美しき永遠の姿がここにある・・・!!

 

 

 

”11歳の女帝マリア・テレジア”

アンドレアス・メラー

ウィーン美術史美術館所蔵

 

 

 

マリア・テレジア(1717-1780)

 

ハプスブルク家はオーストリアを拠点に、欧州に400年という長い年月に渡って、君臨し続けた名門一族です。

マリア・テレジアは、その中でもずば抜けた政治的才能を持った女王でした。

オーストリアの良き母として歴史上に名を残しましたテレジアは、幼いころより才知にたけ、美貌であったといわれています。

この肖像画はその彼女が11歳の頃に描かれたときの作品です。

なんという優雅で気品に満ちた姿でしょうか。このころよりすでに彼女は女王としての風格は備わっていたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”薔薇をもつマリー・アントワネットの肖像”

エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン

ヴェルサイユ城美術館所蔵

 

 

 

マリー・アントワネット(1755-1793)

 

マリー・アントワネットはハプスブルク家の皇女、マリア・テレジアの娘です。

政略結婚によって、わずか14歳で生まれ故郷のオーストリアを離れ、フランスのブルボン家へ嫁ぎました。

そして前国王ルイ15世が逝去すると、18歳でフランス王妃となります。

華やかな気質でお洒落が大好きだった彼女は、当時のファッションリーダーともなり、”ロココの薔薇”と称されました。

しかしその享楽主義が災いし、国庫を湯水のごとく使ってフランスの財政を傾けたため、国民の憎悪を一身に浴びてしまいます。

そして1789年にフランス革命が勃発し、絶対王政が崩れると、国王と共に彼女自身も処刑させられてしまいました。

左記は彼女の全盛期時代にお気に入りの画家に描かせた肖像画です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”ポンパドゥール夫人”

モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール

ルーブル美術館所蔵

 

 

 

ポンパドゥール夫人(1721-1764)

 

ポンパドゥール夫人はフランス国王ルイ15世の公式愛妾でした。

彼女は類まれな美貌の持ち主というだけでなく、学芸の才能にも秀でた女性でもありました。

そのため、政務に無関心な国王のかわりに執政を行うこともしばしばあったようです。

また著名な人物たちと交流を持ち、当時の文化活動に多大なる貢献も果たしました。

フランスの優雅で華やかな”ロココ様式”の流行は、彼女が起点となっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーストリア皇妃エリザベート

フランツ・クサファー・ヴィンターハルター

ウィーン家具博物館蔵

 

 

 

 

 

エリザベート皇后(1854-1898)

 

”シシィ”の愛称で親しまれるエリザベートはハプスブルク家最後の皇女です。

絶世の美女として名高いことで有名ですね。

当時ウィーンでは、彼女の姿を見たさに近隣諸国から大勢の人がやってきたそうです。

しかし当のシシィは、16歳で嫁いできたものの、堅苦しい宮廷にいつまでも慣れることはできず、旅ばかりしていたそうです。

最後は旅先でアナーキストに殺されてしまいます。

アントワネットに劣らない波乱万丈でドラマティックな生涯を送った女性です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”レカミエ夫人の肖像”

フランソワ・ジェラール

カルナヴァレ美術館所蔵

 

 

 

 

ジュリエット・レカミエ(1777-1849)

 

レカミエ夫人はブルボンの絶対王政期、フランス革命期、そしてナポレオン帝政期とフランスの激動期を生き抜いた女性です。

その彼女はフランス皇后ジョゼフィーヌやテルミドールの聖母テレジア・タリアンと並び、フランス中に名前を知られていました。

それは彼女が類まれな美貌の持ち主であったからです。

幼少の頃より、その美しさは際立っていたといわれています。

ジェラールの描いた肖像画での彼女は、当時の流行であったギリシャ風のドレスをまとっています。

当時の流行にも敏感な女性であったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”サラ・ベルナールの肖像”

ジョルジュ・クレラン

プティ・パレ美術館所蔵

 

 

 

サラ・ベルナール(1844-1923)

 

19世紀最も有名な女優です。

22歳のときから舞台にたち、1870年代にはヨーロッパで名声を得ました。

その後、アメリカにもその名が轟くようになります。

そして真面目な演劇の女優としての才能を認められ、「聖なるサラ」とまで称されるようになりました。

また多芸的な才能も持ち合わせており、舞台だけでなく、絵画や彫刻などの視覚的芸術などにも力を注ぎました。

そして社交家で、多くの著名人との恋愛遍歴を重ねたことでも有名です。

多くの絵画のモデルも勤めましたが、その最たるものはアルフォンス・ミュシャのポスターでしょう。

アルフォンス・ミュシャは当時無名の挿絵画家だったのにもかかわらず、彼女は製作を依頼しました。

そのときに描かれたポスター「ジスモンダ」は、なんとパリ中で脚光を浴びたのです。

これをきっかけにして、ミュシャはアール・ヌーヴォーを象徴する画家となったのです。

 

 

 

 

 

 

”マダムX(ピエール・ゴートロー夫人)”

ジョン・シンガー・サージェント

メトロポリタン美術館所蔵

 

 

 

 

ゴートロー夫人(1859-1915)

 

ジョン・シンガー・サージェントが描いたパリで悪名高い美女のゴートロー夫人の肖像画です。

本作品は世界四大美術館のうちの1つメトロポリタン美術館の目玉作品にもなっています。

ですが本作がパリのサロンで発表されたときは、その評価は芳しいものではありませんでした。

肌もあらわなデコルテ、右肩からすべり落ちる肩ひも、薄紫色に塗られた肌などに品性が感じられないとみなされてしまったのです。

サージェントは肩ひもの部分はもちろんのこと、他の箇所を何度も手直しを加えてこの絵を完成させました。

そのかいあってか、実に優雅なポーズと形姿をした存在感のある女性肖像画とまでなったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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